事例にみる優秀サイトのポイント
2017.01.16
ビジネスシャツ販売のスタートアップがアメフト選手を広告塔に登用したそのワケは?
みなさんは、「ワイシャツを着ていてキツキツで窮屈に感じる」、「汗でベタベタして気持ち悪い」、「シワができやすくアイロンかけが面倒」、こういった不快感を持ったことはないだろうか?
今回、ご紹介する”Mizzen+Main”はそんな不快感を感じさせないワイシャツを開発した。それも、アンダーアーマーのようなアスリートが着るスポーツウェアのストレッチ素材をワイシャツの素材に応用することによって開発に成功したのだ。
Mizzen+Mainは2012年、米国テキサスにおいて設立され、クラウドファウンディングサイトのKickStarterで、わずか4時間で目標金額15000ドルの支援金を調達することに成功している。
創業のきっかけ
写真右が創業者のKevin Lavelle氏
後のMizzen+Mainの創業者となるKevin Lavelle氏は2005年の夏、サザンメソジスト大学の学生として、ワシントンDCのインターンに参加していた。インターン先で、Kevin 氏は、汗でベトベトになったワイシャツ姿で会議室に駆け込んでくる職員の姿をよく見てきた。
そして、汗でベトベトにならないワイシャツは存在しないのか疑問を抱いた。たとえば、アンダーアーマーのようなスポーツウェアのストレッチ素材をワイシャツの素材として用いれば、汗でベトベトになってしまうことはなくなるだろうと考えたのだ。
しかし、学生であったKevin 氏はそのようなアイデアは持っていたが、実行に移すための資金がないので起業するには至らなかった。
卒業後、Kevin 氏はコンサルタントとして働き始め、起業の機会も模索し続けていた。起業志望者が集まる起業セミナーに参加した際、アパレル企業でマーケターとして働いていたWeb Smith氏と知り合った。
Smith氏という強力なパートナーを得たKevin 氏は、ストレッチ素材を用いたワイシャツの開発に踏み切り、2012年にMizzen+Mainを設立することになった。
機能的な素材のメンズ服
Mizzen+Mainの最大の強みはその素材だ。「Performance Fabric Menswear」=「機能的な素材のメンズ服」を標榜している。
Mizzen+Mainの特徴(強み)は
・速乾
・洗濯機で洗える
・4方向に伸縮する
・フィット感抜群
である。
Mizzen+Mainは、顧客がサイトを訪問した瞬間に商品の何が良いのか、そのベネフィットを簡潔に打ち出している。そして、そのベネフィットはすべての商品に共通しているのである。
主力商品であるワイシャツは125ドル(約13000円)。多くの柄が用意されている。
ポロシャツが80ドル(約8500円)で販売されている。他にもセーターや下着も販売している。これらすべての服が・速乾・洗濯機で洗える・4方向に伸縮する・フィット感抜群で機能的な素材を用いている。
アメフト選手を広告塔に登用
アメフトの名ディフェンスとして名高いJJ Watt氏とパートナーシップを結び、彼を広告塔に登用している。
Mizzen+MainはJJ Watt氏のようなアスリートに自社のワイシャツを着てもらうことで、「アスリートの着るワイシャツ=機能的な素材を用いたワイシャツ」と印象付けることを試みている。
Kevin 氏が言うには、Mizzen+Mainのワイシャツはアメフトの選手、NLBの野球選手など、パートナーシップを結んでいない多くのアスリートにも愛用されているそうだ。理由はアスリートは他のアスリートが使用しているものを信じる傾向にあるからとのこと。
Mizzen+Mainのようなアスリートからも絶大な支持を受けているワイシャツブランドというのは他に類をみないだろう。Mizzen+Mainは他ブランドに比べて極めてわかりやすい差別化のポイントを築いたのだ。
まとめ
Mizzen+Mainから参考にできるのは、機能的な素材のメンズ服であることをアメフト選手というアスリートを広告塔に登用し、顧客にわかりやすく印象付けているところだ。自社の商品はどのような強みがあるのかわかりやすく伝えること。これが、Mizzen+Mainが多くの著名人達に支持され、実力のあるブランドとして成長できた理由ではないだろうか。