事例にみる優秀サイトのポイント

2018.02.01

5万円の無名ブランドの帽子が売れるECサイト『Rossi&Rei』、その秘訣に迫る

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Rossi&Rei

Rossi&Reiはイタリアの職人手製の鞄、帽子、セーターを販売しているECだ。2016年設立。

販売されている帽子は498ドル(5万4000円)である。売上は公開されてはいないものの創業者へのインタビュー記事を見てみると経営は順調な模様。

ECサイトでこれだけ高額な帽子、しかも無名ブランドの帽子を販売するは容易ではないはずだ。Rossi&Reiは一体どのように販売しているのか?

Rossi&ReiはECサイトの「洗練されたデザイン」と「動画を活用したストーリーテリング」の2軸で「こだわりがあるものなら少々高くても買う」という顧客の意識に訴えかけている。

次に紹介する、創業者Elisa Rossi氏の創業の軌跡に売れるECサイトのヒントが埋まっている。

 

元アップル社員が創業

Rossi&Reiの創業者のElisa Rossi氏はイタリア出身。米国の大学で学び卒業後は決済サービスのSquareやAppleでマーケティングやブランディング業務を担当してきた。

Elisa氏は最近の米国の消費者が高級ブランドによって大量生産された商品にさほど興味を抱かなくなっているように感じていた。彼らは商品の背景にある生産者の価値観や商品の歴史など「ストーリー」に興味を持っていることにも気づいた。

Elisa氏はそんな米国人の消費観の変化を見るにつけ、故郷イタリアの地の職人がこだわって作っている衣服が好まれるのではないかと考えた。そこで、イタリアに飛び職人らとパートナーシップを結び、ECサイトで彼らこだわりの衣服を販売することにしたのだ。

職人らは細部にまでこだわった衣服を作るには長けている。しかし、残念ながらそのこだわりをECサイトでうまく伝えることには長けていない。

そこにRossi&ReiのECサイトの役割がある。イタリアの職人のこだわりを一般消費者にわかる形に翻訳し伝えるのだ。そこでは洗練されたデザイン、動画を活用したストーリーテリングが重要となる。

 

洗練されたデザイン

 

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Rossi&Rei

Rossi&ReiのECサイトは高級感を感じさせる洗練されたものだ。たとえば帽子(価格498ドル)の商品ページ。高級感を演出しているのは非常にクオリティーの高い写真とゆとりあるホワイトスペースを活用したデザインだ。

 

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Rossi&Rei

また、ブランドを表すシンプルなキャッチコピーとして職人の言葉を掲載。

帽子職人のVeronica Marucci氏の言葉「I believe the beauty is the courage to express yourself in an authentic way.(美しさとはあなた自身を表現する本質的な力のことだと信じています)」

キャッチコピーは美しい写真とあわさってブランドの世界観をシンプルに表現している。

 

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帽子以外にも鞄も販売している。価格590ドル

 

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セーターも販売している。価格390ドル

商品ページのどれもが同一モデルのクオリティーの高い写真、そしてゆとりあるホワイトスペースを設けたデザインで統一されている。

 

動画を活用したストーリーテリング

 

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商品ページには動画も掲載されている。動画では職人の想いや職人が働いている様子、職人が働いている環境を紹介。動画はまるでドキュメンタリー動画のようであり、上手く職人のこだわりを引き出すことに成功している。

 

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Rossi&Rei

職人それぞれの紹介ページも設けてある。現状Rossi&Reiでは帽子職人のVeronica Marucci氏、鞄職人のLe Panier氏、セーター職人Tomas氏が掲載されている。

 

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職人がいかにして職人になったのか彼らの軌跡を紹介している。

Rossi&Reiには大量生産の商品ではなく職人手製の唯一無二の商品が並んでいる。そして、彼ら職人のこだわりを引き出して上手く伝える場としてECサイトを機能させている。こだわりの伝え方は「洗練されたデザイン」と「動画を活用したストーリーテリング」の2軸である。

職人にこだわりのような「商品の背景にあるストーリー」に興味を持つようになった消費者の消費観は米国だけではなく日本においても同様だ。そのストーリーの伝え方には工夫が求められる。これからのECサイトのあり方を考える上でRossi&Reiから参考にできる点は確かにあるのではないだろうか。

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