ECニュース解説

2016.07.08

購入率を飛躍的にアップさせる「サイズマーケティング」

ユーザーの購買心理上、サイズが合うかどうかを躊躇して購入に至らないケースが多く発生していることは想像に難しくない。ユーザーにフィットするサイズを提供するための施策=サイズマーケティングが活発化している。

サイズマーケティングの具体的施策についていくつか紹介する。

 

繊研新聞 2月8日発行 (協力:繊研plus

繊研 2月8日

 

【ユニサイズ】

メイキップ社が2016年2月8日にリリースしたのが、「ユニサイズ」というEC事業者向けのASPサービスである。このASPは、ユーザーがアンケート形式でサイズに関する情報を入力すると、自分の体と洋服のフィット度合を示したゲージとともに、最適なサイズが推奨される、というものである。大量の洋服サイズデータと人体データに基づいたアルゴリズムがシステムのベースになっている。EC事業者はユーザーの利用回数に応じた従量課金でこのサービスを利用することができる。

 

【Virtusize・FIT YOU】

ユナイテッドアローズやナノユニバースが採用しているサイズフィッティングシステムは、以前に購入した商品を基準に、購入しようとしている商品とのサイズ差が視覚的に分かるシステムである。過去に購入した商品がない場合は自分体の採寸情報を登録することで、購入しようとしている商品とのサイズ差を確認することもできる。

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また、ナノユニバースはユーザーの全身をたった2秒で3Dスキャンし、より精度の高いフィッティングサービスを一部の店舗で試験的に行っているようだ。洋服の3Dデータと、人体の3Dデータをマッチングさせることにより、究極のフィッティングを実現させる、というような構想があるのであろう。今後はこの3Dデータを活用したサイズマーケティングが発展していきそうだ。

 

nano・universe 3D SCAN

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続いて、「フリーミアム」という手法を用いた事例を紹介する。

 

【フリーミアム】

フリーミアムとは、ベーシックな商品・サービスを無料で提供し、さらに高度な機能などを備えた商品・サービスに対して料金を課金させるビジネスモデルであり、これをアパレルECに応用したのが「フレックスジャパン」というYシャツ専門の会社である。具体的には、サイズ確認用の無料サンプルを提供し、実際のサイズを分かってもらってから通常の商品を購入してもらう、というやり方である。

 

【返品無料サービス】

カタログ通販では一般的な購入の仕方であるが、商品注文時にサイズ違いの同じ商品を注文し、商品到着後に試着、不要なサイズを返品する、という買い方をするユーザーが従来から多くいる。この購入方法を逆手に取りってサービス化しているのが靴に特化したECで業績を拡大しているロコンドである。サイトコンセプトは「買ってから選ぶ。」

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メイキップ社が夢展望社との取り組みで公表しているデータによると、「購入率が約2.5倍アップし、購入単価が約1.3倍増えた」、という数値が出ている。あなたのECサイトで最も適したサイズマーケティングの手法を検討してみるのも良いであろう。

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