ECニュース解説

2016.06.26

購入率アップ! 人工知能やレコメンドエンジンの活用方法

最近、人口知能ロボットやApple社の「Siri(シリ)」などの影響か、「人工知能」が注目されている。

下記の新聞記事では、人工知能を活用したEC向けのソリューションが紹介されている。

 

繊研新聞  2015年12月17日 発行 (協力:繊研plus

ユーザー1人1人に合った「コーディネイト」を提案するツール

繊研新聞 20151217-2

 


 

繊研新聞  2016年01月13日 発行

ユーザー1人1人に合った「商品」を提案するツール

繊研新聞 20160113-2

 

 

上段の新聞記事は、人工知能技術を使ったスマートフォン用ファッションアプリ「SENSY」を提供するカラフル・ボードと、三越伊勢丹による取り組みである。「SENSY」はユーザー1人1人の趣向を解析して、似合うコーディネイトを提案してくれるエンドユーザー向けアプリであるが、アパレル企業向けのソリューションとしても提供されており、アパレルブランドはECサイト上のコンテンツとして活用することができる。ECサイト上で、あたかも店舗スタッフやスタイリストが接客するようなサービスが実現できることになるので、購入率の向上が期待できる。

「SENSY」はユーザー1人1人に合った「コーディネイト」を提案するツールであるのに対して、「商品(単品)」をユーザー1人1人に合わせて提案するツールが下段の新聞記事で紹介されている「レコメンドエンジン」である。Amazonのサイトなどでよく見かける「この商品を買った人は、この商品もよく購入しています」というメッセージでおすすめの商品を自動的に表示してくれるツールのことである。このレコメンドエンジンもユーザー1人1人の購買履歴や閲覧履歴、更には、他のユーザーの購買データや閲覧データからも購入確率が高い商品を自動解析してサイト上に表示させることが出来るため、購入率の向上、併売(複数商品合わせ買い)促進効果が期待できる。

また、上記の「コーディネイト」提案ツール、「商品(単品)」提案ツールの他に、「コンテンツ(特集やキャンペーンなど)」をユーザー1人1人の属性に合わせて提案するツールも存在し、導入するアパレルブランドが増えている。このようなツールは「自動接客ツール」と言われるが、その代表的なツールが下記の「KARTE」、「Flipdesk」である。

 

Karte

 

 

ウェブ接客プラットフォーム「KARTE(カルテ)」は、数行のコードをウェブサイトに埋め込むだけで、来訪者の特徴や行動をリアルタイムに解析し、個々の来訪者にあわせた接客(メッセージ表示など)を可能にし、購入率や成約率などを向上させるサービスです。

 

flipdesk

 

 

Flipdeskフリップデスク)は、ネットショップでリアル店舗のような接客体験を実現するサービスです。クーポン発行やお知らせ配信、チャット対応などを、訪問者の状況に合わせて自動的に提供します。

 

自動接客ツールの具体的な活用方法の例としては、例えば、サイトに頻繁にアクセスしているが、購入には至っていないユーザーに対して初回購入限定の割引クーポンを提示することができる。しかも、ユーザーがサイト訪問した際にリアルタイムでクーポンを表示できるのである。その他の活用例としては、メルマガ未登録のユーザーに対してはメルマガ登録を誘導するバナーを表示することができたり、もう少しの購入でロイヤルカスタマーに昇格するユーザーに対して、特別オファーを提示することができたりする。企画次第で無限の接客バリエーションを展開することが可能なのである。

 

その他のツールとしては、おすすめの商品(単品)を自動表示するレコメンドエンジンの機能に加え、自動接客ツールとしての機能、更には、トップページに表示させる画像やバナー、商品などの要素をユーザー1人1人の属性に合わせて組み替える「LPO(=Landing Page Optimaization)」の機能(つまり、トップページ自体をユーザーによって出し分ける機能)が全て搭載された大規模EC向けのツール「Rtoaster(アールトースター)」なども存在する。

 

rtoaster

 

 

上述の様な自動化ツールは、今回の記事で取り上げたツール以外にも様々なシステムベンダーから販売されていて、それぞれ特徴や料金が異なる。あなたのブランドやECサイトと相性の良いものを導入することを検討してみても良いであろう。

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