【保存版カリキュラム】ECノウハウ
2016.05.29
予想以上のサービスを提供して顧客の期待を超える方法
最近、ネット販売を利用してその購入時の経験が予想以上だったため家族や友人とそれを共有したことがありますか?
事実、ほとんどのビジネスは平均的なところでやり過ごそうとしています。しかし平均的なビジネスからは平凡な結果しか生み出されません。ユーザーの期待を超えるために小さな努力をするビジネスが、購入頻度の高い熱心なユーザーを開拓していくのです。
ここでは、今までの平凡から抜け出してビジネスを育てるために顧客の期待を超えることの重要性を見ていきます。
期待を超えることの重要性
第一に、ユーザーの期待を超えることは比較的簡単だということです。私たちの住むこの世界は実はいたって普通だからです。このため、秀でることはさほど難しいことではないのです。これは、オンラインビジネスを実践する者にとって簡単に手の届くところにある木の実のようなもので大きな結果を生み出す可能性を秘めています。
第二に、ウェブサイトの閲覧客やユーザーの「期待」を超えると、ブランド力が強化され、顧客のロイヤリティを向上し、ポジティブな関係作りに繋がっていきます。eコマース(電子商取引)で重要な側面となる繰り返し購入率と顧客生涯価値(CLV)の増加に繋がります。
事実、成功しているeコマースビジネスでは開業3年目で繰り返し購入が収益のほとんどを占めています RJMetrics 2015 ecommerce benchmark report(英語)。
第三に、よい購入経験をしたと感じたユーザーは必ず他の人に話します。これが今後の新規顧客獲得に繋がり総体的にマーケティングコストの削減に繋がっていきます。
ユーザーの期待を超えると、購入価格とその購入頻度の高い顧客層を開拓でき、その経験を他の人に伝えてもらうことでさらなる集客に繋がります。eコマースビジネスの収益を増やすには、期待を超えたサービスの提供をすることです。
顧客が期待するものとは?
ユーザーはあまり多くを望んでいません。ほとんどのユーザーはたいていの場合、一般常識をわきまえています。ほとんどの人があまり多くを期待しない理由として、一般的な会社はわざわざサービス基準を上げて顧客に高い期待を持たせることにほとんど時間を費やさないからです。
まず、期待を超えるサービスをどのように提供するかを考える前に、平均的な顧客が求めるものを考えてみましょう。
・購入前と購入後のカスタマーサービス(タイムリーで商品知識があり、フレンドリーなコミュニケーション)
・注文したものと全く同じ商品。
・可能な限り早い配達。
・道理的な返品規定があること。
毎回顧客の期待を超えるには?
顧客全員の期待を毎回超えるにはどうしたらいいのでしょうか?これにはまず顧客の「タッチポイント」を理解しなければなりません。
タッチポイントとは、顧客とその企業・ブランドとの接点です。その接点とは、ウェブサイトやライブチャットでのコミュニケーション、受け取った商品のパッケージの状態やそのアピール度、アフターケアのメールやツイッターでつぶやいている内容など様々です。
顧客がブランドと持つ接点(タッチポイント)のすべてが顧客の期待感を左右する機会となります。
タッチポイントの可視化
期待を超えるための方法を見出すには、まずブランドと顧客との接点がよくわかるように可視化する必要があります。これを簡単に行う方法として、すべてのタッチポイントを分野ごとに分けてみましょう。
分野分けの主な例として:
・購入前に発生する顧客とのやり取り
・購入時のやり取り
・購入後のやり取り
その他:
・ソーシャルメディアコミュニケーション
・直接コミュニケーション(メール、ライブチャット)
・メールの自動返信サービス(領収書自動発行やニュースレター)
・情報提供(商品詳細、会社概要ページ、お問い合わせページなど)
・配達後のパッケージの状態
・販売規約(返品、交換)
分野ごとにさらに小分野を作る
主な分野分けができたら、ブランドとの接点となるすべてのタッチポイントをそれぞれの分野ごとに小分野を作ってみます。
例:
購入前 | 購入時 | 購入後 |
ソーシャルメディア | 商品映像 | 領収書 |
ライブチャット | 商品詳細 | 配達後のパッケージの状態 |
広告/マーケティング | 問い合わせページ | 礼状 |
メールでの問い合わせ | 支払い時の感想 | 返品規定 |
一つのことに集中する
残念ながら、全ての顧客を喜ばせることはできません。タッチポイント全てで顧客の期待を超えるには時間も経費もかかるため、利益が損なわれる恐れがあります。そこで、一番集中したいタッチポイントを選びます。
集中するタッチポイントを選んだら、「平均的な人だったら、そのタッチポイントでどんなことを期待するか」を考えてみます。平均的な顧客の期待を設定したら、それを超える方法を考えてみます。
10年ほど前にCDBaby.comという会社が行ったおもしろい事例があります。当時、社長は購入後のメール配信の内容が顧客の期待を超えていないと感じていたので、これを改善したいタッチポイントに決めました。20分程度で、顧客を驚かすようなまったく新しいエキサイティングなメール内容を書き上げたのです。その内容とは:
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「ご注文頂きましたCDは、滅菌消毒された手袋をつけてから、保管棚から丁寧に取り出され、柔らかなサテン生地のクッションの上に置かれました。
CDは50人の検査官が入念に検査し、可能な限りベストな状態で送付するよう丹念に表面を磨き上げられています。
日本人の梱包スペシャリストがろうそくに火をつけ、黄金で飾られた豪華な箱の中にそっとCDを入れると、固唾を飲んで見守る観衆に静けさが漂いました。
その後、盛大な祝賀会を催した後社員全員で郵便局までパレードし、街通りにはポートランド市民全員が集まり、手を振りながらCDの入ったパッケージに向かって「よい旅を!」と声援を上げていました。6月6日金曜日、CDBabyの専用ジェット機で出荷されたことをご連絡致します。
この度はCDBabyでのショッピングを楽しんでいただけていれば幸いです。私たちは存分に楽しむことができました。また、お客様が本年度の「カスタマー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれましたので写真を飾らさせて頂きます。ここまでくるとさすがの私たちも疲れが出てきましたが、CDBABY.COM一同、お客様のまたのご利用をお待ちしております!」
これはお金のかけず顧客の期待を大幅に超えたいい例だと言えます。「private CD Baby jet」とグーグル検索してみると6万件程度が表示されます。
もう一つの例として、ライアン・フレンチさん( GameKlipの創設者) はオーバーデリバーを図るために、全ての注文のパッケージにキャンディを入れることにしました。これが大好評となり ソーシャルメディアや フォーラム または ブログを通して口コミで広がっていきました。これも、GameKlip Rockets Candyとグーグル検索してみると27000件近いヒット数となり、期待以上のサービスとして話題になりました。
自分のサービスを自ら体験してみる
カスタマーエクスペリエンスを向上する対策を施したら、まず自分で試してみます。その時は初めて使用するお客様を意識し、すべての購入プロセスを一通りの手順を行います。
新規顧客として期待を超えるような何かがありましたか?他社と比べてはどうでしょうか?みなと共有したいと思える購入経験だったでしょうか?
フィードバックを獲得せよ
本当にいい仕事をし続けていると、お客様からの礼状メール数やソーシャルメディアでの言及数の増加などで自然とその努力の成果をうかがい知ることができます。ウェブサイトの閲覧客や実際にサービスを利用した顧客、もしくはどちらでもない第三者からフィードバックなども聞いておきたいものです。フィードバックを獲得するために無料で利用できる便利なツールには以下のようなものがあります:
Fiverr – Video Website Review – 僅か数ドルで全くの第三者からウェブサイトのフィードバックが獲得できる。
Survicate – 自分のウェブサイトで閲覧客で直接アンケート調査を行う。
Receiptful – 購入直後のフィードバック依頼や受注確認書の自動発信などを行う。
Klaviyo または Emma – 商品配達後に自動的にフィードバックを依頼するメールを送信する。これにより顧客の購入経験を全体的に見直すことができる。
結論
ビジネスの成功や失敗は様々な要素により左右されるものですが、顧客の購入経験が「究極の要」と言えます。
サービスのオーバーデリバーを実践することは最良のビジネス戦略です。購入経験を他人と共有してくれる顧客を増やし、より頻繁により多くを購入してくれる顧客を開拓していきましょう。