事例にみる優秀サイトのポイント
2018.03.23
ユーザー自らが服を販売促進する仕掛けとは?!インドで急成長したファッションEC「LimeRoad」
顧客は何を基準に服を買うのだろうか。値段、品質、口コミさまざまだろう。
もし、信頼できる人、センスがある人が勧めている服があれば参考にしたくないだろうか?そんなニーズを汲み取って急成長しているのが今回ご紹介する「LimeRoad」だ。
ユーザー自らLimeRoadで販売されているおすすめの服や着こなしを他のユーザーに提案する仕組みを作り上げた。ユーザー自らがインフルエンサーとなるインフルエンサー・マーケティングをサイト上でうまく機能させることに成功している。
LimeRoadは多くのユーザーを集客できていること、そして自社の服を宣伝してもらえることからLimeRoadには2000~3000店舗の出店がある。
LimeRoadはインドにおいて2012年設立。LimeRoadの日本における知名度は低いもののこれまでに5000万ドルの巨額の資金調達に成功。「持続的な成長を見込める」と投資家の支持を受けている。
本稿ではLimeRoadがどのようなサイトなのか、また前述のインフルエンサー・マーケティングの仕掛けについても見ていこう。
ソーシャルメディア要素を付加したECサイト
ユーザーはカードをパラパラめくる感覚でLimeRoadに出店している店舗の服を見て回ることができる。また、カードごとにLikeやシェアの数が表示されている。ユーザーはそういった他のユーザーからの評価を参考にして服を探すことができるのだ。
たとえば、2000以上Likeがついている服はstylestoneという店舗が販売している。
ユーザーが勝手に服を販売促進してくれる仕掛け
ユーザーはLimeRoad上で販売されている服を組み合わせて自らお気に入り着こなしカタログを作成できる。「俳優A氏のイメージに合った着こなし」といったテンプレートが用意されている。こういった軽めの「テンプレート」を用意しておいてあげることでユーザーが着こなしカタログを作成しやすいようにしているわけだ。
LimeRoadではそれぞれのユーザーの好み(Likeや閲覧履歴などからデータを収集し好みを弾き出している)にフィットした着こなしカタログが表示されるようになっているようだ。ユーザーはその着こなしを参考にできる。
もし他のユーザーがユーザーのお気に入り着こなしカタログから服を購入した場合、そのユーザーにインセンティブとして「LimeRoadポイント」が付与される。ユーザーはその付与された「LimeRoadポイント」を服の購入に利用できる。
コンテスト開催
LimeRoadでは常時着こなしコンテストを開催している。たとえば、夏の着こなしというテーマで着こなしカタログをユーザーから募る。当選した場合、その着こなしカタログを提案したユーザーは「スーパースタイリスト」としてサイトトップに表示される特典を得られる。すると、そのユーザーの着こなしカタログの服も売れることが想定され、ユーザーはLimeRoadポイントを獲得できる。
UGCを活用する
LimeRoadは低コストで良質なUGC(ユーザー生成コンテンツ)を集める仕掛けを作り上げた。それらのコンテンツは服の購入を検討しているユーザーにとっての購入を決定する判断材料になるものだ。
LimeRoadは多くの店舗が集まって様々な服を出品しているECサイトであるため、そっくりそのまま真似することはできないかもしれない。
しかし、ユーザーがUGCを生成してくれる仕掛けをECサイト上に作り上げるというのは様々なやり方があるだろう。LimeRoadのようにコンテストを開催して優れた着こなしを提案したユーザーにはポイントを付与するなどしてUGCを募る方法であればどのようなECサイトでも実行可能である。施策の1つとして取り入れてみても良いのではないだろうか。