ECニュース解説

2016.07.08

ショップブログの活用法 オムニチャネルの原動力に

オムニチャネル(店舗とデジタルの融合)の施策としてショップブログを活用するケースが増えている。店舗スタッフが空き時間にブログで新商品の情報やコーディネイト情報を発信し、店舗やECに誘導する、という流れで売り上げ効果を上げている。既存客がブログを閲覧する以外に、ブログ記事がコンテンツマーケティングとなり、全く新しいユーザーからのアクセスを生む効果も上げている。

また、多店舗展開しているブランドであれば、複数のブログによるECや店舗への送客数が集積されて大きなものになるし、コンテンツマーケティングの効果も肥大化する。

 

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下記の記事ではオムニチャネルに取り組む大手アパレルメーカーであるコックスがショップブログに力を入れている事例が紹介されている。

 

繊研新聞 2016年2月17日 発行号

繊研新聞 20160217
ショップブログを運営することで売り上げ効果が期待できるわけだが、当然、運営するためにはシステム費用などのコストもかかる。相当の売り上げ効果を確実に上げるために下記のポイントを抑えた運用基盤の整備が必要である。

 

■店舗スタッフの評価制度

クオリティーの高いブログ記事を継続的に店舗スタッフに書き続けてもらうには、店舗スタッフのモチベーションをキープすための評価制度を用意しておくことが重要である。店舗スタッフのメリットがない状態ではブログ記事の執筆に積極的に取り組んでもらえない。そのため、ブログ経由でECの売り上げが上がった際に、その売り上げがブログ経由であることが分かるようにするための効果測定ツールをブログシステムに実装する必要がある。

 

■店舗スタッフへの教育

ショップブログを運営することで得られる全体的なメリットを店舗スタッフの一人一人にしっかり理解してもらうことが重要である。

下記はある大手セレクトショップでの実例になるが、店舗とECの両方を併用するユーザーの平均購入金額は、店舗のみ利用のユーザーのそれよりも約2.2倍高いという結果が出ている。このことを店舗スタッフに理解してもらえれば、ECサイトの誘導のために積極的にブログ記事を更新してくれるようになるであろう。

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■店舗スタッフが簡単にブログを編集・アップできるようにするためのブログシステムの導入

ブログシステムでよく使われるシステムがWord Pressであるが、標準の機能でもブログを更新しやすいシテムとなっている。ただし、店舗スタッフが極力効率的で簡単に手なく更新できるようにするための工夫を施したほうが得策である。店舗スタッフのモチベーション維持になるし、効率性を上げることで記事の執筆頻度、ボリュームアップにもつながるからである。

下記がブログ更新作業を効率化するための具体的な施策である。

 

・アプリから簡単に投稿できるようにする

 ・ECサイトとのデータ連携

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店舗スタッフが記事内で商品を紹介する場合、ECサイトにユーザーを誘導するためにECサイトの商品詳細ページのURLを設定する必要がある。また、より誘導を強化するためには商品のサムネイル画像をブログ記事に掲載する必要が出てくる。この2つの手間を省くために、店舗スタッフは品番だけをブログに入力すれば、該当商品の商品詳細ページのURLとサムネイル画像を自動的にECサイトからデータを引っ張ってきてブログ記事に表示させるようにすることができる。ブログシステムを導入する際に予算にゆとりがあればカスタマイズすることをおすすめする。

 

その他、下記はブログ記事のクオリティアップを図るのに効果的な施策である。

 

・管理権限の付与

記事のクオリティ管理をしていくために、各担当者の担当範囲の権限を付与することでブログの統制を取りやすくできる。

(例)

権限1 全ブログの管理権限  (本部管理)

権限2 記事の承認  (エリアマネージャー・店長)

権限3 記事投稿のみ  (ショップスタッフ)

 

・ランキング機能の実装

人気記事を自動でランキング表示できるようにすることで店舗間の競争心をかきたて、ブランド全体の活性化を図ることができる。

 

上記のような施策や機能が実装されたショップブログはユナイテッドアローズやビームス、アーバンリサーチと言ったセレクトショップなどを中心に実際に展開されている。

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