ECニュース解説

2016.06.26

アクアガールのリニューアル事例 解説

2015年11月、アクアガールのブランドサイトがリニューアルされ、ECとの連携が強化された。

リニューアルのきっかけは、ブランド自体のリブランディングである。

 

繊研新聞 2015年12月21日 発行 (協力:繊研plus

 

繊研新聞 20151221-2

 

ブランド自体のリブランディングに伴うサイトリニューアルの場合、本腰を入れてサイト設計、デザイン、最新機能の導入、運用体制の強化などを実施するケースが多いが、今回のリニューアルの内容も充実したものとなっている。主管部署が「デジタルプラットフォーム本部」に移管されていることからも、側近に最新ノウハウを持つスタッフが周りにいることが想像できる。さらに、店長経験者をEC責任者に充て、人員も2名から4名に増員した、とあるため、EC、ECと店舗の連携にかなりの気合が入っていることがうかがえる。

 

アクアガールのサイト トップページ

aquagirl

 

 

サイトの優れている点として、動画による商品訴求がされているが、商品詳細ページに動画が埋め込まれているだけでなく、独自性の高い商品展示バリエーションとして、「MOVIE」という商品展示エリアが「NEW ITEMS」や「PICK UP ITEMS」などの商品展示エリアと並列に設置されている。これにより、ユーザーに真っ先に動画から商品を閲覧してもらう、という新しい形の訴求方法となっている。

次に優れている点として、トップページ中央辺りの「COLLECTION」エリアのビジュアルがPCサイト、スマホサイトともにパララックスというギミック(スクロールの動きと、ビジュアル素材の動きに敢えて時間差を持たせたギミック)が使用されており、ブランディング性の高いユーザー体験を与えている。同じギミックは下記のCOLLECTIONのページでも展開されている。

aquagirl collection

 

 

商品詳細ページのレイアウトデザインも優れた設計になっており、全体的にゆとりをもった形で各要素が配置されている。

商品詳細ページ

aquagirl item

 

 

また、特集ページのレイアウトパターンもバリエーションが豊富でデザイン性に優れているため、ブランディング効果が高い特集ページになっている。

 特集ページ画面

aquagirl special1

 

 

aquagirl special2

 

 

このECサイトの残念なところは、PC版サイトにおいて、トップページ上の商品をクリックすると別画面で商品詳細ページが表示される構造になってしまっている点である。元々のアクアガールのECサイトはワールド社の保有ブランドが集結するポータルECサイト「WORLD ONLINE STORE」上に存在するため、このようなサイト構造にならざるを得ないのかもしれないが、商品をクリックすると別画面で商品詳細ページが表示されるのは大きなデメリットである。離脱が発生しやすく、商品詳細ページにアクセスする度に次々に新しい画面が立ち上がるため、ユーザーの混乱を招きかねない。

 

このECサイトで残念な点は下記の3点である。

1.トップページ上に設置された「COLLECTION」の中身がトップページ上で展開されない

2.「STYLE SNAP」のスナップコンテンツがトップページ上で展開されていない

⇒理由は、階層が深くなればなるほど必ず離脱が発生し、見てもらえるユーザーの数が絶対的に減るため、ユーザーに見せたいコンテンツはページ階層を下げずに、トップページ上で展開すべきであるため。

 

3.トップページ上のInstagramの画像から商品詳細ページへのリンクが張られていない

⇒Instagramの人気コンテンツから商品詳細ページに誘導し、購入促進を図るべきである。

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