マーケティング

2019.02.01

東京都ビジネスサービスがRPAで解消するアパレルECの悩みとは

ロボット技術はここ数年でホワイトカラーの業務にも大きく浸透し、ソフトウェア型ロボット、いわゆるRPAの登場により、デスクワークの大幅な業務効率改善が行われている。

 

東京都ビジネスサービスについて

東京都ビジネスサービスはITサービスを提供する株式会社システナと東京都が共同で創設した第三セクター企業だ。主な事業としては障がい者の就労移行訓練サービスや、企業に向けた障害者雇用促進コンサルティング、そしてデータベース管理や事務作業の代行など分野は幅広い。

https://www.tokyotobs.co.jp/

 

そして今回新たに発表されたのがアパレル業界に向けたRPAの提供で、これは親会社であるシステナとの共同でサービスが展開される。

https://www.systena.co.jp/https://ecnomikata.com/ecnews/21282/

売れ筋商品の回転日数の把握や、ヒット商品のさらなる販売促進、在庫状況の可視化と回転率の向上を問題設定とし、それに伴うソリューションを東京都ビジネスサービスが提供してくれる。

提供されるRPAは人工知能だけでなく光学文字認識(OCR)を複合したものとなっており、アナログの文字認識をも可能にしている。そのため紙帳簿などのデジタル化されていないデータのデジタル化も容易にしてくれるため、導入のハードルも低く、RPA採用後のパフォーマンスにも大きく期待することができそうだ。

アナログによるデータの入力や保管から抜け出せない主な原因として、データをデジタル化することが困難であったことが挙げられる。AIによる文字認識が可能になれば、デジタル化を一気に推し進められ、業務効率も飛躍的に向上するだろう。

 

RPAがアパレルECにもたらす業務効率化

RPAが得意とするのは、事務作業における単純労働の自動化だ。例えばエクセルへのデータ入力や、商品情報の登録、発注業務など、日々の業務の中でルーティンワークとなっているものを自動化し、少ない人員でも効率的なオフィス業務の遂行を実現してくれる。

ECサイトであれば、カスタマーサポートもRPAで自動化することができる。例えばチャットボットの導入は最もポピュラーなケースの一つで、あらかじめテンプレートを複数用意し、ユーザーの質問に合わせて適当な回答ができるよう設定しておけば、コールセンターを配備してスタッフが顧客対応を行わずとも、シンプルな質問であればボットが自動的に返信をおこなってくれる。

 

次々と展開されるアパレルEC向けのRPA

東京都ビジネスサービス以外にも、アパレルに特化したRPAを提供する企業は増加傾向にある。例えば株式会社メイキップが発表した「SASAGE.AI」はアパレル商品の採寸から撮影、商品情報入力まで自動化する画期的なRPAだ。

 

https://sasage.ai/

https://ecnomikata.com/ecnews/21176/

 

SASAGE.AIは商品の画像からモデル着用画像、採寸、説明文を自動生成し、いわゆる「ささげ業務」を無人で行うことができる。写真を読み込ませるだけで精度誤差は5%未満と高い性能を誇り、採寸スピードは導入前と比べ50%向上したという評価もある。

料金体系は利用量に応じ、自動生成サーバーに写真をアップロードした数に応じて課金される。初期費用も無料となっているため、まだ開設から間もないアパレルEC運営者にとっても使いやすいサービスだ。

 

業務自動化のメリット

人間の手ではなくロボットに業務を託してしまうことで、これまでに提供できなかったサービス範囲の拡大なども期待できる。

例えば商品の自動登録機能やチャットボットの導入により、カスタマーサービスを24時間365日フル稼働させることが可能となる。手動でECサイトを運営する場合、例えWebページはいつでも閲覧することができても、夜中や年末年始にユーザー対応を行うことは難しい。

しかしながら自動返信機能を持つチャットボットを導入すると、簡単なコミュニケーションであればボット対応でユーザーとのコミュニケーションが可能となったり、SNSなどと連携して自動的に商品情報を通知するなど、時間にとらわれないECサイトの運営が可能になる。

あるいは在庫情報とRPAをリンクさせ、売れ行きが悪い商品をセール対象に変更したり、売れ行きが良い一押し商品として自動的にピックアップすることで、在庫の回転率を向上させることも可能になるだろう。

また、人が手動ではなくロボットがデータをもとに自動でタスクをこなしていくため、記入漏れや更新ミスなどのケアレスミスの発生リスクが大きく抑えられる点も特徴である。

RPAによってルーティンワークが自動化されることで、余った人員は仕入れや営業、情報収集などルーティン外の業務に集中することができる。一人一人のルーティンワークが最小限になり、人間にしかできないコア業務におけるパフォーマンス向上も期待できる。

アパレル分野のEC化率は年々高まりを見せており、EC市場規模も拡大傾向にある。ITサービスの一つとして提供されてきたRPAも、今後は東京都ビジネスサービスの展開するソリューションややSASAGE.AIのようにアパレルに特化したサービスも増えていくことになるだろう。

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