マーケティング

2020.04.21

新型コロナウィルスの影響と巣ごもり消費〜アパレルECが取り組むべき施策とは~

2020年4月現在、新型コロナウィルスの影響により、日本国内でも政府自治体から外出自粛の要請が出され、家庭内消費が活性化する傾向が強まっている。

いわゆる「巣ごもり消費」と呼ばれる現象の最中、平時では見られない日用品や食料品のオンライン消費が増大しているが、アパレル業界はその恩恵を今ひとつ受けられていない状態が続く。

巣ごもり消費拡大もアパレル業界は不振

学校の休校や職場のリモートワーク化が進んだことで、消費の現場は急激に店舗からオンラインへとシフトしていった。

アパレルECも平時より盛んに注文されるようになったものの、リアル店舗を含めた全体としては減収が見られる様子が伺える。

EC売上増加の一方で、リアル店舗を含めると減収

WebメディアのFashionsnap.comによると、ユナイテッドアローズとワールドのEC売り上げは増加し、二社とも2割近いECの成長が見られたという。

参考:Fashionsnap.com「新型コロナで”巣ごもり消費”が後押し、ユナイテッドアローズとワールドでEC売上増加」

https://www.fashionsnap.com/article/2020-03-06/coronavirus-ecshop/

前年と比較して、ユナイテッドアローズの自社運営ECサイトにおいては8%増、ZOZOTOWNを含めた全体売り上げを見ると、19%もの売上増加が確認された。

ワールドにおいてはEC売り上げが18%増加し、こちらも非常に好調な成長を見せている。

こういったEC消費の拡大が顕著になったデータがある一方、リアル店舗を含めた全体売り上げとしては低調だ。ユナイテッドアローズは前年同月比103%と停滞気味で、ワールドに関しては97%の減収となっている。

店舗依存度の強いアパレル業界

ネックとなったのが、EC売り上げ増加に伴う店舗売り上げの大幅な減少だ。ユナイテッドアローズでは前年比2.5%の減少、ワールドにおいては7.4%もの減少となっている。

両社は依然として、店舗での売り上げが全体の中で大きな割合を占めているため、数%の減少でも、会社に与えるダメージは大きい。

ワールドのEC化率は約13%、ユナイテッドアローズは20%と、国内アパレル業界の中では比較的EC化が進んでいる数値とはいえ、依然として店舗売り上げの行方に、業績が大きく左右されている様子が伺える。

休眠顧客掘り起こし施策

店舗売り上げの減少は、このままではさらに悪化の一途をたどることが予想されるが、この間にできる施策として注目されているのが、休眠顧客の掘り起こしだ。

潜在的な関心を掘り起こす

店舗が半休業状態に追い込まれる中、店舗を通じた新規顧客の獲得を促進することは難しい。

そこで、これまでに自社製品と何らかの接点を持った顧客に、再びアプローチを行うことで、改めて商品に興味を持ってもらうのである。

新規顧客獲得よりも広告費用を抑えられるため、コロナショックが終焉した後も継続展開できる施策といえるだろう。

SMSの活用がキーポイントに

休眠顧客の掘り起こしにおいては、メールやDMよりもSMS(ショートメッセージ)の活用がキーポイントとなっている。

メールやDMは毎日無数に顧客の元へ届けられるため、重要性の低いメールは読まれずに放置されてしまうことが多い。

また、休眠顧客となるとアドレスが変更されている可能性も高く、確実に顧客へ届くかどうかも疑わしいところがあるのだが、SMSとなるとこれらの問題をクリアしやすい。

SMSは電話番号を元にメッセージを送信するのだが、こちらはメールアドレスや住所ほど変更の頻度は極めて少ないため、手元に届きやすい。

なおかつ、SMSに届くメッセージはEメールやDMよりも比較的重要性が高いものが多く、埋もれにくい傾向がある。そのため、受信者がしっかり目を通してくれる可能性も高いのである。

室内活動の増加に注目

あるいは、消費者の生活の場のシフトに注目するのも有効だろう。

トレーニングウェア需要拡大の見込み

室内で巣ごもり消費が増えたとはいえ、衣類を全く購入しなくなったわけではない。

例えば、自宅での時間が増えたのをきっかけに、室内トレーニングを始める人は今後増えてくることが考えられる。外で運動ができないため、ヨガや筋トレ用品を購入し、自宅でトレーニングに勤しむケースだ。

また、自宅だからといって、全くお洒落をしないでトレーニングに取り組むとも限らない。

Instagram上でインフルエンサーやセレブたちが、自宅で洒落たウェアを身に纏いながらトレーニングに励む様子を見れば、同じウェアを買って、自分もSNSにその様子を投稿したいと考えるようになることも十分考えられる。

ルームウェア消費が拡大していく可能性も

あるいは、日常的に着用するルームウェアにこだわりたいと考える人も出てくるだろう。

毎日使い古したパジャマや部屋着を着用するのは、外出が多ければ気にならないかもしれないが、毎日、一日中着用するとなれば話は別である。

いくら部屋にずっといるとはいえ、服にある程度興味がある人であれば、多少は綺麗でお洒落な格好をしたいと思うようになるだろう。

お出かけ用の服の需要が減少した分、ルームウェアにお金を使うようになるというシナリオだ。

おわりに

店舗売り上げが大幅に減少し、顧客の獲得が店頭では行いづらくなった分、ECの強化や休眠顧客へのアプローチ、巣ごもり消費ならではの需要に対応するなど、できることは少なくない。

事業継続のため、独創的なアイデアで新しい需要を切り開いていくことが賢明と言えそうだ。

TOPへ戻る