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2018.12.21

FASHION NOVAが実践するSNS×ファストファッションの手法

今世界で最もSNSを使いこなしているファッションECブランドはLA初の「FASHION NOVA(ファッションノヴァ)である。

https://www.fashionnova.com/

2013年の設立から、わずか4年後にはGoogleの発表する「2017年にグーグルで最も検索されたブランドランキング」において GUCCI(グッチ)、LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)、Supreme(シュプリーム)についで4位にランクインし、2018年12月現在の時点でインスタグラムのフォロワーは1400万人を超える数を獲得している。

WWDのインタビューにおいて、ファッションノヴァの創業者であるRichard Saghian(リチャード・サギアン)氏は、「ウルトラファストファッション」という言葉を用いながら同社のSNSマーケティングの手法について説明している。

http://ur0.work/OCnR

ECに特化するオリジナルブランド

ファッションノヴァはファッション雑誌に乗ることもなければ、ランウェイショーを開催することもないEC特化型のオリジナルブランドだ。彼らの提唱するウルトラファストファッションを成立させる鍵は、まず生産から販売のスピード感にある。

本社と同様ロサンゼルスに存在するメーカーと提携し、サンプル完成から48時間でモデルに着用させての撮影を行えるようとりはからい、最終的に商品の構想から1~2週間後には販売が開始されるというスピードで販売を行なっている。

この圧倒的なサイクルを維持することが、競合他社の追随を許さない秘訣の一つだ。

そして販売から売り切れまでのスピードも早く、大抵の商品はリリースから数日以内、早いものだと数時間で売り切れてしまうという。

商品の価格をほぼ50ドル以下で提供し、顧客のログイン時に通知を送信するシステムを徹底しているだけでなく、米国という広大な国土のどこから注文しても2日以内には到着する。

そしてLA近郊であれば当日着が可能という、流通におけるスピードの追及にも努力が及んでいる点が大きい。

このサイクルにSNSが加わることで、「ウルトラファストファッション」と呼ばれる体系が成立しているのである。

 

SNSありきのブランド性

SNSの運用も徹底はしているものの、その主な使い方は非常にシンプルだ。Instagram上で影響力のあるインフルエンサーに商品を無料で提供、投稿を促すことでブランドの知名度を底上げしてもらうというものだが、そもそもファッションノヴァで買い物をする顧客は皆がインフルエンサーだとサギアン氏は語っている。

顧客は皆インフルエンサー

ファッションノヴァは他にないスピード感で商品をリリースし、その種類も多岐にわたるのだが、それだけのスピードを求めている顧客は、そもそもSNSで自分の購入した商品をアピールすることが目的だ。

同じデニムジャケットでも複数のデザインのものをファッションノヴァは同時期にリリースし、他人と被ってしまわないよう配慮している。「他人と被りにくいデザインで、有名ブランドで、しかも安い」というファッションノヴァのポジションは、SNS時代に最適化されたものだと言えるだろう。

SNS映えの良い同ブランドは、もはやインフルエンサーに依頼をせずともSNS上で顧客が独自に商品を広めてくれるのである。このムーブメントを起こすことができれば、仮に企業ではキャッチアップしきれないSNS上のトレンドが生まれた際にも、流行に敏感なユーザーが自ら最適化して発信してくれることも期待できる。

また、ファッションノヴァのinstagramアカウントはターゲットとなる16~35歳のユーザーに親しみやすいような運営を行なっているという。例えば30分ごとにモデルが商品を着用している画像をタグとともに投稿し、ECサイトにもフィードを設置しユーザーとの接点を増やすよう努めている。

例えばファッションノヴァの顧客を独自に「#NovaBabe」や「#NovaStar」と呼びながら、SNSにタグと着用写真をアップしてくれた人にいいねやコメントを送ることで、よりユーザーに親近感を持ってもらえる取り組みを行なっている点だ。

ハッシュタグによるコミュニティ形成や、いいねやコメントがもらえるかもしれないと顧客に感じ取ってもらうことで、さらなる購買意欲を掻き立てているという仕組みは、継続的にバズを生み続けるための効果的な戦略と言える。

 

<h3>SNSは依然として強力な発信源</h3>

InstagramをはじめとするSNSは、定期的にアルゴリズムを変更するため、時として企業のプロモーションには不利な設定となっていることもある。

サギアン氏はインタビューの中でもそのことを認めており、インフルエンサーマーケティングの終わりが来るかもしれない、と述べている。それでも同社は現在3000名程度のインフルエンサーとパートナーシップ契約を結んでおり、SNSへの強い影響力は今後も維持していく姿勢を見せている。

またファッションノヴァは実店舗への関心も薄く、既存の直営店舗はプロモーションとして活用し、ECサイトでの売り上げを伸ばすことに注力するという。

日本では正規の取り扱いがないファッションノヴァだが、現状では海外店舗の出店にも消極的な代わりに海外でのECサイトの立ち上げには意欲を見せているため、近いうちに日本の公式サイトもリリースされるかもしれない。

また、他のECサイトとの提携も考えておらず、Amazonなどでの出品はあり得ない、という。ファッションノヴァはあくまでもオリジナルブランドであり、「ファッションノヴァのサイトでファッションノヴァの商品を買う」というプロセスにもブランド価値を見出しているのだ。

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