ECニュース解説

2016.07.08

【海外・国内 最新事例】 ECサイトで効果の高いコンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングの取り組みがファッション業界でも加速している。海外ではRalph LaurenやGucci、Louis Vitton、Barneys New York、Burberry、Cartier、LVMHなど、名だたるファッション企業が取り組んでいる。日本国内でも、ナノユニバースやジュングループ、バロックジャパンが取り組みを始めており、今後様々なブランドでコンテンツマーケティングが開始されるのは時間の問題であろう。

 

繊研新聞 2016年3月14日発行 (協力:繊研plus

繊研新聞 20160314

 

 

コンテンツマーケティングの基礎情報について以下に説明しておく。

コンテンツマーケティングとは、見込み客や顧客にとって価値のあるコンテンツを提供し続けることで、興味・関心を惹き、理解してもらい、結果として売上げにつなげるマーケティング戦略のことです。
何度も訪問して購入してくれる優良顧客を育むためには、継続的に訪問したくなるコンテンツ戦略が重要となります。
ユーザーを惹きつける継続的かつ長期的に付加価値の高いコンテンツを提供するのが、コンテンツマーケティングの役割となります。

 

【メリット】

1.訪れるのは興味のある人だけ
コンテンツマーケティングでは、ユーザー目線のコンテンツを提供し続けることで、商品やサービスに興味を持ってくれそうな人を呼び込みます。広く多くの人に強制的に認知させる広告に対し、本当に欲しい情報を求める人だけに効率よく訪問してもらうことができます。

2. ターゲットを限定
情報過多の時代、ユーザーは自身が欲しい情報をサーチエンジン経由で探したり、ソーシャルメディアでの情報をもとに目的のサイトを訪問します。コンテンツマーケティングでは、そのようなすでに商品やサービスに強い関心を持っている人にターゲットを絞って戦略を立てることができます。

3. 優良顧客を獲得
コンテンツマーケティングを利用することで、ユーザーとコミュニケーションを育み、商品サービスに関心を持ってもらい、信頼関係を築きファン化を促します。ひいては、ユーザーが商品やサービスを購入しようと思ったときに、競合他社より購入してくれる可能性を高めることができます。

4. 情報が拡散しやすい
自社サイト発のコンテンツを持つことで、ソーシャルメディアでより多くの人に情報を届けることができます。ユーザーにとって本当に役に立つコンテンツは、ソーシャルメディアを通じて拡散していきます。バズ・バイラルを起こし、多くの人に情報を届けられるのが、コンテンツマーケティングの最大の武器でもあります。

5. 効果検証ができる
効果測定が難しい広告に対し、コンテンツマーケティングでは、正確な分析ができるのが大きなメリットです。① 訪問者は誰なのか?② どんなキーワードで辿り着いたのか?③ どのページに訪れたのか?④ どれくらいのリピート率なのか? など、これらの分析結果を検証することで、より効果的な施策を打ち出していくことができます。

INFOBAHN 「コンテンツマーケティングが優良顧客を育む本当の理由」より抜粋

 

 

つまり、ウェブマガジンやブログ、ビデオなどのユーザーが求めるコンテンツを用意することで、継続的に新規ユーザー、リピートユーザーが来訪し、コンテンツが拡散され、ブランドを強くしていける、ということである。そのため、ファッション業界の国内外のブランドもコンテンツ作りを強化し始めているのである。

 

【海外ブランド】 コンテンツマーケティング事例

ブランド:LVMH

「NOWNESS」

A global video channel screening the best in culture

LVMHが提供するキュレーション型ビデオサイト。アートやデザイン、ファッション、美容、音楽、食、旅、カルチャーなど、幅広い分野でのクオリティーの高いビデオが閲覧できる。

https://www.nowness.com/

nowness

 

 

ブランド:Gucci

「GUCCI STYLE」

ショッピングアプリ。ビデオや写真から最新のアイテムを購入可能。旅行やアート、音楽などの最新情報も配信。世界中のグッチショップの検索やファッションショーのライブストリーミングなども楽しめる。

gucci appgucci app2

 

 

ブランド:Barneys New York

「The Window」

http://www.barneys.com/

ECと連動したウェブマガジン。デザイナーのバックボーンやドキュメンタリー、商品に関するアイデアの由来や生産背景など、深いストーリーをビジュアルとテキストで読むことができる。紹介されている商品はそのままECで購入することができる。

window

 

 

ブランド:Ralph Lauren

「RL Magazine」

http://www.ralphlauren.com/us/en/magazine

ECと連動したウェブマガジン。ファッションやカルチャー、アートなどのクオリティーの高いコンテンツから、コンテンツ内容に沿ったおすすめの商品が掲載されている。ECサイト上で展開。

rlmag

 


 

 

【国内ブランド】 コンテンツマーケティング事例

ブランド(企業):JUNグループ

「J’aDoRe Magazine」

http://www.jadore-jun.jp/jadore_magazine/

ファッション、ライフスタイルの記事が中心のウェブマガジン。ECサイト上で展開している。

jador mag

 

 

ブランド(企業):ナノユニバース

「NANO UNIVERSE マガジン」

http://store.nanouniverse.jp/shop/media.aspx

外部メディアと提携し、ファッション、ライフスタイル、音楽、車、アート、スポーツなど、幅広いテーマの記事を配信している。ECサイト上での展開。

nanouniverse

 

 

ブランド(企業):SHE’LTTER(バロックジャパン)

「SHE’L MAG」

https://magazine.sheltter.vc/

ファッション、ライフスタイル、美容、カルチャー、占いのジャンルでコンテンツを配信。

shellmag

 

 


まとめ

雑誌の発行部数が減少し、ネット上でのブランド認知向上とブランディングを推し進める必要性が露呈してきている現在、コンテンツマーケティングはブランド認知向上とブランディングの両方を狙うことができるマーケティング手法であることに間違いない。コンテンツマーケティングは一過性の強いリスティング広告などとは違い、コンテンツの「質」はもちろん、「量」と「蓄積」が重要な要素となるため、いち早く取り組んだブランドが有利になってくるであろう。

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