事例にみる優秀サイトのポイント
2017.02.27
画像から類似の服を探し出してくれる画像認識アルゴリズムのアプリSnap Fashion
雑誌の服、ショッピングウインドウ越しに見る服、テレビで芸能人が着ている服など、「この服オシャレ!」そんな風に思うことは誰しも経験あるだろう。
もし、その場で、その服の写真を撮影し、その写真をもとに同じような服を見つけ出してくれるサービスがあればどうだろうか?
そして、これ、既視感を感じないだろうか?そう、音楽をスマートフォンに聞き取らせると曲名を検索してくれるアプリShazamだ。その服版のアプリともいえるのが今回ご紹介するSnap Fashionだ。
検索エンジンでは欲しい服を見つけられない
画像引用元 Inspiring Women:Jenny Griffiths Startups
Jenny Griffiths氏(以下Jenny氏)はイギリスのブリストル大学でコンピューターサイエンスを学んた。Snap Fashionのアイデア自体はJenny氏が大学時代から構想してきたものだ。
Jenny氏はファッションが好きでよく街の通行人が着ている服を観察していた。しかし、Jenny氏は通行人が着ている服と同じような服が欲しいと思っても、インターネットの検索エンジンでは同様の服を見つけることができないことに不満を持った。
そこで、Jenny氏は卒業研究で画像をもとに服を検索できる服用の画像認識アルゴリズムを構築したのだ。
しかし、まだ学生ですぐに起業する勇気はなく、2009年に卒業後は航空宇宙、防衛、セキュリティ分野で情報システムを提供している会社のタレスグループでプログラマーとして勤務した。
そこで、起業のための人脈、資金を得て2012年にSnap Fashionを起業した。
Snap Fashion利用の流れ
Snap Fashionは画像認識アルゴリズムを活用しているアプリ。服の写真をアップロードすると、Gap、Topshop、ユニクロなど250以上のファッションブランドの数十万着の服の中からアップロードした写真の服に似たデザインの服が提示される。Webサイト、スマホアプリで利用可能だ。
1.服の写真をアップロードする
試しに女性のドレスの写真をアップロードしてみよう。
2.服の部位を選択する
写真の服の部位を選択する。
3.似た服が提案される
アップロードした写真の服に似た商品が提示される。
DIANE VON FURSTENBERGのドレス351ポンド(4万9055円)、「BUY」(購入)ボタンを押すとブランドの購入ページに遷移する。
他にも高級ブランドだけでなくOASISのドレス10ポンド(1397円)と格安のドレスも提示されている。
変容する購買行動
これまでのインターネットで服を検索する場合は、検索エンジンでキーワードをもとに検索するしかなかった。広告で見かけたオシャレな服を検索するには、その服のブランド名など何らかの言語情報が必要だ。しかし、その情報がない場合には著しく検索が難しい欠点がある。
SnapFashionは画像認識アルゴリズムを活用し、その欠点をクリアした。ブランド名やキーワードのような言語情報ではなく「画像情報をもとに服を購入する」。そんなECの購買行動を変容させる可能性を秘めたイノベーションといえる。
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