マーケティング
2022.08.04
ファッションECの最新トレンドは?市場規模と推移、EC最新施策を紹介
EC市場が年々拡大傾向にあるファッション業界。昨今では、オンラインショッピングの需要拡大やニーズの多様化に伴い、ファッションECの在り方や販促施策にも多様化が見られます。
この記事では、ファッションECの市場規や売り上げランキング、EC施策における最新トレンドなどを紹介します。
ファッションECの市場規模と推移
経済産業省が実施した「電子商取引に関する市場調査」によると、2020年度における衣服・服装雑貨分野におけるEC(BtoC)の市場規模は「2兆2,203億円」でした。
市場規模としては、物販系分野において「生活家電、AV機器、PC・周辺機器」に次いで2番目に大きい市場となっています。ファッションECは、さまざまなEC業界の中でも市場規模がかなり大きいことが分かります。
ファッションECの市場は拡大傾向に
ファッションECの市場規模は、年々拡大傾向にあります。2020年における市場規模は「2兆2,203億円」とお伝えしましたが、対前年比を見ると「16.25%」も上昇しています。さらに過去の市場規模と比較すると、2014年頃より右肩上がりで成長を続けています。
なお、ファッション業界は「EC化率」においても毎年数パーセント程度の上昇を記録しています。2020年におけるEC化率は「19.44%」と、前年度と比較して「5.57ポイント」の上昇を見せています。
ファッションECの売上ランキング
続いて、ファッションECの動向をより深く理解するため、2020年度のデータをもとに売上高が最も高かったファッションECのトップ5を紹介します。
1.ユニクロ(1,269億円)
2.ベイクルーズ(545億円)
3.アダストリア(538億円)
4.オンワードホールディングス(416億円)
5.TSIホールディングス(406億円)
参照:【2021年版】ファッションEC売上高ランキングTOP50
※()内の数字は、2020年度の売上高です。
2020年度における国内ファッションECの売上のトップは、オムニチャネルの成功例として知られる「ユニクロ」です。2位にはJOURNAL STANDARDやIENAなどを展開する「ベイクルーズ」、3位にはGLOBAL WORKやLEPSIMなどを展開する「アダストリア」がランクインしています。
ファッションECの種類
企業が個人に向けて商品を販売するタイプのファッションECは、大きく分けて次の3種類に分類されます。
- メーカー直販型
- モール型
- 個人販売型
メーカー直販型
1つ目は、メーカー直販型のファッションECです。その名前からわかるように、アパレルブランドやメーカーが販路の一つとして運営しているECサイトのことを指します。「D2C(Direct to Consumer)」という別名でも知られています。
メーカー直販型のECの特徴は、自社ブランドの商品を顧客に直接販売するビジネスモデルであることです。自社ブランドのイメージや魅力を存分に生かしたECサイト上で、顧客と直接的なコミュニケーションを取りやすいというメリットがあります。
モール型
2つ目は、モール型のファッションECです。楽天やAmazon、ZOZOTOWNなど、ショッピングモールのようにさまざまなブランド・ショップが出店しているECサイトを指します。
モール型の大手ECサイトは、すでにたくさんのアクティブユーザー数を誇っているため、ある程度知名度が高いブランドであれば売上を比較的伸ばしやすいというメリットがあります。ただし、メーカー直販型のECと比べて、自社ブランドのイメージを生かしてカスタマイズしたり、顧客との直接的なコミュニケーションを取ったりするのは難しくなります。
個人販売型
3つ目は、個人販売型のファッションECです。このタイプは、個人が複数ブランドの商品を販売を行っているECサイトを指しています。
「仕入れ・売り」の形態が取られているケースが多く、他の種類のファッションECと比較すると規模は小さいものの、商品やサイトへのこだわりが強い傾向にあります。
ファッションEC施策における最新トレンド5選
では次に、ファッションEC施策における最新トレンドを5つ紹介します。
1.SNSの活用
ファッションECは市場が大きい分、集客が難しいという課題があります。そこで、近年ファッションECで欠かせない集客手段となっているのが「SNS」です。
自社ブランドのアカウントを作成し、おしゃれな商品写真や着用写真を投稿することで、ファッションに興味があるユーザーを自然な流れで自社ECサイトへと集客することができます。中でもInstagramは、“映える”写真で自社商品をアピールすることに長けていることから、ファッションECとの相性が抜群です。
2.サイズのレコメンド機能
近年、自分の身体データを入力したりアンケートに答えたりするだけで、自分にぴったりのサイズを提案してくれるソリューションを導入するECサイトが増えています。これらのサービスにはAIが搭載されており、独自のアルゴリズムによって、ECサイト上で顧客におすすめのサイズを提案することを可能にしてくれます。
こういったソリューションは、「サイズ感を掴むのが難しい」という顧客の不安を解消し、購入へとつなげるのに大いに役立ちます。
3.EC在庫の一元化
モール型ECと自社ECサイトの2つを展開する場合、課題として「在庫管理が難しいこと」が挙げられます。というのも、モール型ECを利用するには、基本的に販売分の在庫をモールの倉庫に納入しなければならず、自社ECサイトは別に在庫を管理する必要があるからです。
そこで近年では、モール型ECと自社ECサイトの在庫をまとめて管理する施策が進んでいます。たとえば、ZOZOグループ会社は、ZOZOTOWNと自社ECサイトの在庫をリアルタイム連携で一元管理できるサービス「Fulfilment by ZOZO」を提供しています。
ECサイト在庫を一元化することには、機会損失を減らし売上を拡大できるというメリットがあります。
4.コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングも、近年注目が集まっているファッションECの集客施策の一つです。コンテンツマーケティングとは、記事や動画といった「コンテンツ」をターゲット層に届けるマーケティング活動のことです。
たとえば、自社メディアやSNSでファッションや着こなしに関する情報や、自社商品を取り入れたスタッフコーデのショート動画を配信することで、効果的に自社のターゲット層に向けた集客を行うことができます。
5.決済手段の多様化
近年ではキャッシュレス化が進んだことにより、顧客の決済手段のニーズが多様化しています。そこで避けたいのが、十分な決済手段に対応できていないことによるカゴ落ちや離脱といった機会損失です。
実際のところ、ある調査では「希望する決済手段がなければショップから離脱する」という人が6割を超えるという結果が出ています。決済手段の不足は離脱につながりやすいため、一刻も早く改善する必要があると言えます。
クレジットカード決済はもちろんのこと、キャリア決済や電子マネー、現金派の人のためにコンビニ決済や代金引換など、自社ECサイトの決済手段をできるだけ多様化させることが理想です。
決済手段の多様化には、決済代行サービスがおすすめ!
自社ECサイトの決済手段を増やすなら、オンライン決済代行サービスの利用がおすすめです。
たとえば、決済代行サービス「KOMOJU」は、数多くのオンライン決済手段をサポートしています。KOMOJUのサービスを利用すれば、「コンビニ決済」や「ペイディ(Paidy)」などの決済手段をあらゆるECプラットフォームへ導入することができます。
まとめ
今回は、ファッションECの市場規模や種類、ファッションEC施策における最新トレンドを紹介しました。
ファッションECの市場は年々拡大傾向にあります。それに伴って顧客のニーズも多様化しているため、最新のトレンドを押さえてさまざまな施策を取り入れていく必要があるでしょう。
参考サイト
- https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/210730_new_hokokusho.pdf
- https://www.ebisumart.com/blog/apparel-ec/
- https://fbz.zozo.com
- https://ja.komoju.com
- https://www.wantedly.com/companies/makip/post_articles/361082