事例にみる優秀サイトのポイント

2016.08.15

【海外最新事例】 余りものの古着の販売から年商100億円を超えるファッションECへと成長した「Mod Cloth」

Mod Clothは2002年に米国で設立されたレトロ基調なデザインの女性服やアクセサリーを販売しているサイトである。

 

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「ユーザーのファッションにおける”相棒”になる」という方針で支持を集め、2012年には1億ドルもの売上を達成した。ユーザーを商品開発に巻き込むプログラムやModclothのスタイリストに質問ができるチャットサービスなどを展開し、熱狂的なファンを育成・獲得している。

 

 

余った古着を販売

 

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写真左が創業者でCEOのKoger Eric氏、写真右が創業者でクリエイティブディレクターのSusan Gregg Koger氏

 

創業者のSusan Gregg Koger氏は古着をこよなく愛する大の古着好きだった。しかし、その古着がクローゼットに収容できなくなるまで増えてしまったことがあり、そこで、コンピューターに詳しい恋人のEric Koger氏の協力を得てECサイトで古着を販売することにした。フタを開けると、サイトの開設初日にいきなり古着が売れたのだった。

2人がeBayを見ていると古着がごった混ぜで陳列されており、センスのある古着であっても知名度のないブランドの古着はユーザーに見つけられにくい状態だった。Susan氏が認めるセンスのある古着をeBayで見つけるのはさらに難しかった。

そこで、Susan氏のセンスで選んだ古着を販売するECサイトであればユーザーにとって利用価値があるだろうと考え、ECサイトの構築に本格的に取り組み始めた。

 

 

テイラー・スイフトも愛用しているMod Cloth

当初、古着の販売から始めたMod Clothsは現在、レトロ基調なデザインの女性向けの服、靴、水着、バッグ、アクセサリー、さらにはウェディング用のドレス、アクセサリーも販売するまで拡大している。

商品の値段はドレスでも70ドル前後とお手頃な値段となっている。安いものだと30ドル以下のものもある。

ドレスはシーン別に用意されているのも特徴的だ。たとえば、特別なイベント向けのドレス、パーティー向けのドレス、仕事向けのドレスといったようにそれぞれのシーンに合ったドレスを探して購入することが可能だ。これらのドレスには、自社でデザイン・製造しているドレスも数多くある。

 

 

強力なコミュニティー

Mod Clothが2012年に1億ドルの売上を達成できたのは、創業者のSusan氏の服を選ぶセンスと、ブランドを支持するファンによる強力なコミュニティーをつくることができたことが大きな成功要因になる。Facebookのフォロワー数はなんと141万人以上となっている。

 

 

「Be the Buyer」欲しいドレスに投票できる

ModClothは商品企画や商品生産といった活動の過程にユーザーを巻き込むことで熱狂的なファンを獲得していった。たとえば「Be the Buyer」プログラムではフリーデザイナーが提出したドレスのデザインのサンプルがいくつか並べられていて、ユーザーは自分が欲しいと思うドレスに対して票を入れる。獲得票数が最も多かったドレスが実際に商品化されることになる。

 

創業者でCEOのKoger氏は以下のように語っている。

「買い物はこれまでも常に社会的な体験だった。それが、オンラインに移行して変わったのはユーザーがコミュニティを形成し、お互いに意見交換をしたり影響を与え合うようになったことなんだ。……省略……ModClothはユーザーと直接対話をしながら彼らがどういった物が好きかを把握し、それを反映した商品をマーケットに投入しているんだ。その過程で我々の成長を支える強力なコミュニティーを作り上げることができたんだ」(Forbesより引用)

現在このBe the Buyerプログラムは停止しているようだが、ModClothの強力なコミュニティーを作りあげた施策の1つである。

 

 

Style Gallery」自撮り写真を投稿

 

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ファッションの自撮り写真を投稿したり、他のユーザーの自撮り写真に対して「いいね」をつけることができるのが「Style Gellery」というコンテンツだ。主にModClothの服でどんな着こなしができるかをチェックするのに活用されている。これまでに数千枚の写真が投稿されている。

 

ModStylists」専属スタイリストに質問

 

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ModClothの人気コンテンツの一つに「ModStylists」がある。Eメールやチャット、電話でModClothのファッションスタイリストに対して服の着こなし方、商品の素材について、サイズ合わせについて質問できるサービスである。

 

 

顧客満足度を高めるのは商品だけではない

ModClothは様々な施策により「ユーザー体験」の創出で顧客満足度を高めてきた。売っている商品のみがユーザー満足度を高めるわけではない。商品以外の「ユーザー体験」で差別化を図っていくこともファッションECにとって重要なポイントと言えるであろう。

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