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2016.10.11

爆売れ状態が年中続いた伝説のショートパンツブランド”Chubbie Shorts”

Chubbies Shortsはショートパンツを中心に販売するメンズファッションブランド。2011年に米国のサンフランシスコで設立され、2012年には商品の供給が追い付かないほど注文が殺到し、完売状態が年中続いた。まさに「爆売れ」したブランドだ。

 

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今や夏の米国の大学のキャンパスを見渡すとChubbies Shortsのショートパンツを履いている男性を数人見かけることができるというくらい認知度の高いブランドとなっている。

これまでに1300万ドル(約13億5000万円)の資金調達に成功している。2015年時点で40人の従業員を抱えるまでになっており安定して成長しているようだ。

 

このChubbies Shortsはなぜ短期間でここまでの成功を収めることができたのだろうか。まずはChubbies Shortsが初のショートパンツ専門ECであり話題性があったということが1つの成功要因としてあるだろう。しかし、調べてみるとそれ以外にも、

 

・ソーシャルメディアの活用

・ユーザー発信のコンテンツを集めることに成功した

・大学生を巻き込んでブランドの認知度を向上させることに成功した

 

などが成功要因にあるだろう。

これらの成功要因を詳しく見ていこう。

 

 

遊びで作ったパンツが予想外の人気を呼んだ

 

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写真左からKyle Hency氏、Rainer Castillo氏、 Preston Rutherford氏、Tom Montgomery氏

 

Chubbies Shortsの後の共同創業者となるKyle Hency氏、Rainer Castillo氏、 Preston Rutherford氏、Tom Montgomery氏ら4人はスタンフォード大学の仲良しな同窓生。大学卒業後、Castillo氏はGap、Hency氏はEコマースのコンサル企業、 Montgomery氏はスタートアップとそれぞれ様々な業界で働き始めた。

2011年の夏、仲の良かった4人はカリフォルニア州とネバダ州に位置するタホ湖に旅行に行くことになった。もともと4人は大学時代からパーティーで仮装するのが大好きだった。そこで、タホ湖のビーチで着るためのアメリカの国旗をモチーフにした派手なショートパンツを自作した。ついでに遊び心で20着ほど余分にショートパンツを作っておき、もし欲しがる人がいたら売ることにした。4人がビーチでショートパンツを履いてみたところ多く人の注目を集めた。そして20着のショートパンツは旅行の間に完売したのだった。

旅行後、4人は集合してこのショートパンツをビジネスにすることについて話し合った。試作品を製造し、主催したパーティで販売してみた。すると速攻で完売。2011年の9月、ECサイトを設立してショートパンツの販売を始めたところ、あっという間に数百着が完売したのだった。4人はこのショートパンツ販売に大きな可能性があると考えた。そこで4人はショートパンツの販売をビジネスにするべく本格的に取り組み始めたのだった。

 

 

Chubbies Shortsの戦略

Chubbies Shortsの商品のラインナップはショートパンツ、水着、シャツである。その中でも、主力商品は創業当初より販売してきた「The Mericas」だ。星条旗をモチーフにしたデザインであり、米国製にこだわっている。値段は59.50ドル(約6000円)。このようなユニークな商品がChubbies Shortsの強みであることは確かだ。

 

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しかし、Chubbies Shortsが短期間で成功を収めることができた要因は商品そのもの以外の戦略にもありそうだ。

 

 

ソーシャルメディアの活用とユーザー発信のコンテンツ

 

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Chubbies Shortsはソーシャルメディア上で積極的にキャンペーンを展開してきた。たとえば、FacebookではChubbies ShortsのページにLikeを押し、ニュースレターを購読した人に対して抽選でオリジナルペットボトルケースをプレゼントするというキャンペーンを実施した。このキャンペーン後2万人のフォロワーが5万人に増えた。このようなFacebook上でのキャンペーンを積極的に行ってFacebookのフォロワーを増やしていった。

 

Chubbies ShortsのFacebookページ。現在では何と147万人以上のフォロワーがいる。

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下はInstagramキャンペーン。毎週金曜に「55Hours Photo Contest」という写真コンテストを開催している。ユーザーに週末の過ごしている様子を撮影した写真を @CHUBBIES と #55HOURSとタグ付けしてInstagramに投稿してもらう。ユニークな写真を投稿したユーザーには旅行やChubbies Shortsのギフトカードをプレゼントしている。

 

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また、当選したユーザーはChubbies Shorts所属のInstagramのカメラマンのポジションに招待される。写真をInstagramに投稿するのと引き換えにChubbies Shortsの新商品をもらうことができたり、写真撮影のための費用をChubbies Shortsから支給される。

この写真コンテストのようにユーザー発信のコンテンツを集めるキャンペーンを多く開催してきた。Chubbies Shortsのショートパンツを実際の顧客が履いて楽しんでいる姿の写真はどんな宣伝文句よりもショートパンツを買いたくさせることだろう。

 

 

Chubbies Shortsのための大学生サポーターチームを結成

 

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Chubbies Shortsがターゲットとする顧客は18から35歳の男性だ。このうちの多くを占めるのは大学生だ。そこでChubbies Shortsは彼ら大学生を顧客に取り込むため、学生間での宣伝塔になる大学生サポーターチームを結成した。創業当初の大学生サポーターは20人ほどだったが、現在では400人以上となっている。

強制的にサポーターチームに何かをやらせたりはしないが、彼らが自発的にChubbies Shortsのために動いてもらえるようにしている。たとえば、サポーターチームに対して、あるテーマを与えてそのテーマに沿った写真撮影をしてもらう。そしてその写真をFacebookなどのソーシャルメディアに投稿してもらう。そして、ソーシャルメディアで多くの反応を得る投稿をした人にChubbies Shortsの新商品などのプレゼントを与えるようにしている。このような活動はサポーターたちも楽しんでやっているようだ。またビジネスの訓練にもなり、就職のことを見据えてこのサポーターをしている大学生もいるという。

サポーターチームによる投稿は彼らの友達にも閲覧されることになるため、Chubbies Shortsの大学生の間での認知度の向上につながった。

 

 

まとめ

Chubbies Shortsの成功要因は前述したように、ソーシャルメディアの活用、ユーザー発信のコンテンツを集めることができたところにある。大学生のサポーターチーム結成によって大学生間でのブランドの認知度を大きく向上させることに成功した。これらはすべてブランドのファンの支持の上に成り立っている。ファンというのは自社の最高の広告塔になることを改めて認識させてくれる事例だ。

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