事例にみる優秀サイトのポイント
2018.07.03
テイラースイフトご愛用、サステイナブルへのこだわりが消費者の共感を呼び急成長ファッションEC「Reformartion」
近年の米国では環境に配慮したサステイナブルな新興ファッションブランドが次々と登場している。エシカルな消費を志向する消費者が増えているということだろう。
テイラー・スウィフトを始めとするセレブの間でも人気となっているサステイナブルなブランドがReformartionだ。2009年米国にて設立された。
元々、米国ではサステイナブル=ダサいという方程式があったそうだ。しかし、Reformationはその方程式を覆した。サステイナブルなファッションブランドこそがクールで洗練されているというイメージを作り上げた。
Reformationはサステイナブルに徹底してこだわることで消費者の共感を呼ぶことに成功したのだ。サステイナブルへのこだわりぶりはECサイトを見ると確認できる。サステイナブルでクールなブランドイメージを形成するうえで大きな役割を果たしたのがECサイトなのだ。本記事でその点を見ていこう。
創業のきっかけ
Reformation創業者のYael Aflalo氏は20歳のころファッションデザイナーとして働き始めた。有名ブランドのフレッド シーガルのシャツをデザインしたこともあるという。その後、1999年に自らファッションブランドYa-Yaを立ち上げることにした。
Yael氏は仕事で中国の縫製工場に出張する機会があった。出張先で目撃したのは膨大に浪費される資源や素材、工場が引き起こしている環境汚染だった。Yael氏はファッション業界が環境汚染をけん引している業界だと知ることに。1つのコットンTシャツを製造するのに750リットルから1500リットルもの水が使用されているのだ。さらには数百年は分解されない服の合成繊維も問題だった。
Yeal氏は中国への出張から帰国後、デザインを犠牲にすることなく環境にも配慮したサステイナブルなファッションブランドを立ち上げることにしたのだった。
Reformationの服が消費者に選ばれる理由
他社にないデザイン、手ごろな価格、サステイナブルな商品であることがReformationの服が消費者に選ばれる理由である。
他社にないデザイン
Reformationは消費者の好みをいち早く反映するためにも専属デザイナーが服のデザインを担当。カリフォルニア・ロサンゼルスの自社工場において服を生産している。さらに、ECを軸にしたファッションブランドであるため小回りが利く点が強みである。
通常のファッションブランドであれば服の販売の1年前から準備に取り掛かる必要がある。しかし、Reformationの場合は1か月前にデザインを開始し製造、販売まで漕ぎつけることができる。旬のトレンドを捉えたデザインを迅速に投入することができるのだ。
さらに、Reformationのサイトでは非常に高品質な写真を使用している。写真のドレスを見ているだけで楽しめる。
手ごろな価格
Persimmon Dressは198ドル(約2万2000円)
Port Dressは98ドル(約1万1000円)
Reformationのドレスは70ドル~200ドルほど。服の価格帯は安いわけではないが、手ごろな価格帯である。
サステイナブル
サステイナブルへのこだわりこそがReformationの最大の特徴である。
Reformationは環境負荷の低いレーヨンを主な素材に採用している。15%に近い服の素材は廃棄になる予定だった素材、2~5パーセントは古着の再利用。製造工程でも資源の無駄遣いを最小限に抑えようとしている。
ただし、サステイナブルかどうかは伝えようとしなければ伝わらないものだ。
ReformationはRefscaleという目安を商品ページに掲載している。これは二酸化炭素の排出、水・素材の使用量をどれだけ削減しているかを示すものだ。
さらに徹底しているのがサステイナブルレポートなるレポートを毎年リリースしている点だ。
二酸化炭素排出量、水・素材の廃棄量の削減目標を達成できたかどうか、また来年度の削減目標を掲げ、それを達成するための手段を策定し報告している。
Reformationのような透明性のある情報開示こそがサステイナブルには必須だろう。
消費者は商品の機能だけではなく、商品の背後に伏流するストーリーにお金を払う傾向にあるのはよく言われている話だ。
しかし、そのストーリーとは何なのか。それはこだわりと言い換えても良いのではないだろうか。こだわりとはつまり「追求」と同義だ。上っ面だけでサステイナブルだと言っても消費者の共感を呼ぶことはできないだろう。
Reformationのようにサステイナブルを徹底して追求するこだわりが必要だ。そうしてはじめてサステイナブルは消費者の共感を呼ぶ1つのストーリーとなるのだ。