【保存版カリキュラム】ECノウハウ
2016.05.28
ECサイトで動画を活用をする方法
動画の活用はEコマースではまだまだ発展途上の戦略ツールと言えますが、次のレベルに進むために、ECサイトに動画を導入することは重要な施策になりつつあります。
この記事では、動画をいかに活用してコンバージョンを増やし、自分のオンラインビジネスに貢献させることができるのかを説明していきます。
Eコマースビジネスでの動画の重要性
商品を紹介する動画は コンバージョン を増加させる大きな可能性を秘めています。顧客に商品をより理解してもらい、可能な限り多くの情報を提供することが目的です。 fecalab_marketing Sherpaの調査によると、商品説明の動画があると、ウェブサイトの訪問者が商品を購入する確率が64%向上すると報告しています。
コンバージョンを増やすという観点から見ればコピーライティングや商品画像、ユーザレビューなどでも同じ効果が得られますが、その中でも動画が最も効果的に商品の利点を伝えることができる要素だと言えます。
さらに、以下のようにECサイトで動画を活用するメリットは他にもあります。
1.Google は動画を好む
Googleでは、通常のウェブ検索の他に、動画、画像、ニュース、マップまたはその他の媒体を含む検索結果を合わせて表示することができます。動画が含まれているサイトは検索結果ランキングである程度優遇されるいるため、競合他社のサイトで動画が使われていなければは検索結果で有利となります。これに加え、調査によるとGoogleは動画のあるサイト、特にGoogleが保有するYouTubeをホストにしている場合は検索結果でさらに 優遇 されると報告しています。
2.動画は共有しやすく、クリックしやすい
調査によると、文字だけのページより動画のあるページの方が共有される確率が高いことがわかっています。さらに、ビジュアルまたはマルチメディアより動画サムネイルの方がクリックされる確率が高いとされています。
3.動画は人を引きつける
ユーザがインターネットで動画を視聴する時間はさらに長くなっていると言われています。動画の視聴は文面を読むよりもはるかに効率的に情報を得ることができます。動画を使えば、文字では読んでもらえなかった情報をオーディエンスに伝えることができます。
4.「百聞は一見如かず」、これが動画なら・・・
動画はより多くの情報を短時間に伝達することができます。動画で商品を「展示」をすることでその姿かたちを余すところなく伝えることができます。商品のイメージを顧客の潜在意識に感情的に訴えることもできます。
動画活用の成功例
ショップオーナーが動画を使わない理由は、たいていの場合「ハードルが高い」と感じてしまうこと、または動画を制作するからには「流行」するような傑作を作らないといけないと考えてしまうのが主な理由ではないかと思われます。しかし実際は動画をECサイトに導入することはさほど難しいことではなく、ほとんどの場合、シンプルな方法がベストだったりするものです。
ここで他の会社がオンラインビジネスでどのように動画を活用しているのか見てみましょう。
Theory11
マーケティング戦略:ストーリー作り+商品展示
Theory11のウェブサイトを見てみると、動画制作にかなり力を入れているのがわかります。高度なプロダクションには洗練されたブランドイメージが表現されています。動画でのマーケティング効果を理解し、ストーリーを通して商品のイメージ作りをする会社の好例と言えます。
VAT19
マーケティング戦略:エンターテイメント+商品紹介
VAT19は、自称「奇抜商品の総合商社」としておもしろい変わり種商品を多数販売しています。しかしここで問題なのは、様々な商品を販売している商社ということは、取り扱っているほとんどの商品はその他のオンライン小売業者でも販売されているということです。競合他社の中からVAT19が秀でている点は動画ですべての商品を紹介していることです。これらの動画にはエンターテイメント性だけでなく商品知識を伝える要素があることが特徴です。
VAT19の動画は、奇抜で風変りなものから、単に見ていて面白いものまで様々です。すでに500以上の動画をポストし、130万人のチャンネル登録者 を持つVAT19の動画プロモーション戦略は大成功を収めています。
BlendTec
マーケティング戦略:エンターテイメント+製品機能紹介
BlendTec は、製品の機能を紹介する動画にエンターテインメント性を持たせていることが特徴です。
「Will It Blend?」と題したマーケティング キャンペーンで、ブレンダ―のデモンストレーションを行っているYouTube動画が話題になりました。BlendTec(創始者トム・ディクソン)は、通常ブレンダ―に入れることは絶対にありえない変わったものをブレンダ―にかけその性能を披露することにしたのです。
今日この動画シリーズは 80万人のチャンネル登録者を獲得することに成功しました。
トム・ディクソンさんのコメント:キャンペーンの効果は瞬時に見られ、販売台数の急激な伸びでそのインパクトを感じることができました。
Luxy Hair
マーケティング戦略:動画を通じて付加価値を付ける
効果的な動画マーケティング戦略とは、商品の付加価値をユーザに無料で提供することかも知れません。Luxy Hair はYouTubeでのマーケティングのみで売り上げ高7桁のビジネスを構築することに成功しました。Luxy Hairのマーケティングの目的は初めから、週一回のヘアースタイル講習を作成しYouTubeで紹介してユーザにインスピレーションを与えることでした。この動画マーケティング戦略でチャンネル登録者が230万人を獲得することに成功しています。
創設者の一人、アレックス・アイコンさんは自身のマーケティング戦略について後にこう語っています:動画を作成する時に最も気を付けた点は、ユーザとパーソナルなコネクションを築き、(動画を通して)付加価値を提供することにベストを尽くすことです。
Right Channel Radios
マーケティング戦略:製品レビュー/製品選択アドバイス
CB無線機のドロップシッピング ビジネスとして、 Right Channel Radios は多額の広告費を費やすことなく他社と差別化を図ることを目指しました。製品概要や製品レビューを共有して豊富な商品知識で信用を築き上げ、効果的にビジネスを構築して他社と差別化を図ることに成功しているいい例です。
Bellroy Wallets
マーケティング戦略:製品特徴の紹介
Bellroy は多くのマーケティングテクニックを駆使しています。特に製品紹介ページは他のどのEコマースと比べても全く引けを取らない完成されたものと言えます。製品ページの中枢となるのは、製品特徴を紹介する動画です。全てのお財布で機能を紹介する動画を制作して、どのくらいのものが入れられるのかをわかりやすく伝えています。この動画で、顧客は購入する前に製品とその機能をより深く理解することができます。
Labella Mafia Clothing
マーケティング戦略:製品紹介
ECサイトで衣類を購入することは誰にとっても難しく、返品される確率が高い商品の一つです。Labelle Mafia Clothing はこれに対応するために、商品を閲覧する人が購入前にそのフィット感を感じてもらえるよう、製品を着用したモデルが登場するシンプルで効果的な動画を採用しています。
Vintage Frames Company
マーケティング戦略:製品紹介
Eコマースで割と簡単に導入できるシンプルな動画マーケティング戦略の一つに、白背景で商品を360度回転させて商品を展示する手法があります。これにより購入したい製品をあらゆる角度から見ることができるようになります。これは Arqspin または Spin Studioなどで比較的簡単に実施することができます。
メガネフレームを販売するVintage Frames Companyは、製品を360度回転させる動画を採用し顧客が購入する前にフレームをじっくりと吟味できるようにしました。
Hard Graft
マーケティング戦略:製品紹介
スマートフォンで動画を作成して、Vine または Instagram など動画を中心としたソーシャルメディアを使って商品を展示することが最もシンプルな動画マーケティング戦略です。
Hard Graft は、写真だけでなく動画を使って商品を展示することに移行しました。
動画をECサイトに導入する
ここまで、いくつかの事例で実際にどのように動画が活用されているのかを見てきました。それぞれ顧客を楽しませ、商品知識を伝え、商品の機能を理解してもらえるよう工夫されています。Eコマースで動画を活用するポイントを以下のようにまとめてみました。
1.製品機能の紹介
自社製品に他社にはない特別な機能がある場合は特に効果的です。製品仕様などは製品ページに記載する方が簡単ですが、こういった詳細は顧客によっては参照してもらえない場合もあります。
2.使用方法説明やチュートリアル
使用方法説明やチュートリアルは、技術情報や詳細など一般の人には少し難しい説明をしなければならない時にわかりやすく伝えることができる手法の一つです。この場合に顧客に商品の使用説明や方法に動画を使用すると効果的です。
3.製品選択アドバイス
動画を使用して顧客が製品を選択するアドバイスをすればコンバージョン率を上げることに繋がります。ここで製品を選ぶのを助けることによって返品される率を下げることにも貢献します。
4.付加価値の提供
コンバージョン率向上を図るために動画を使って付加価値を提供することは経費もさほど掛からない経済的な方法です。
5.シンプルな製品情報/機能説明の動画
手始めに製品情報を紹介するシンプルな動画を作成することはよいきっかけになるかもしれません。最初から高度なものを作成する必要は全くありません。動画ならサイズや形、質感や機能など多くの情報を顧客に伝えることができます。
考え過ぎないで、まずはカメラを用意しよう
動画を作成する方法はいろいろあります。まずどのようなマーケティング戦略でどのようなコンテンツが必要なのかを決めます。動画コンテンツを作成する時、複雑な構成で費用を掛かけることもできますが、反対にシンプルで費用をかけずに行うことも可能なのです。
例えば、先に紹介した VAT19の例を見てみると、いくつかのビデオは役者を起用したり、ストーリーラインを構成したり、中にはアニメーションを採用したものもあり、セミプロレベルで時間と経費をかけた作品を制作していることがわかります。
これに対しBlendTecの例を見ると、動画制作はかなりシンプルです。登場人物は創設者本人たったの一人で、500ドル前後のDSLRカメラを使って撮影されています。
Hard Graftの例ではさらに簡単な方法で制作されています。それぞれの商品ページの一番下にVineアカウントに投稿されている8秒程度の動画が埋め込まれています。スマートフォンで撮影されているので、必要最小限の時間と経費で制作されているのがわかります。
まとめ
インターネット上でかなり普及している動画ですが、Eコマースビジネスではまだまだ活用されていないコンポーネントです。HDカメラが安価に購入できるようになったこと、さらにスマートフォンでもHDで高画質の動画が撮影できるようになったことを考えればEコマースで動画コンテンツを使わない理由はありません。
この記事で紹介した通り、動画マーケティング戦略のコストとレベルは様々です。動画でどのような付加価値を付けたいか、顧客にどのようなアプローチをしたいのかよって自分のビジネスに合った動画を制作する必要があります。