マーケティング
2017.12.18
ECサイト運用代行会社を活用するメリットとは?
経済産業省の調べによると、2016年度の「衣類・服飾雑貨等」分野のEC化率は10.93%と1割を超えるに至った。アパレル企業やセレクトショップにとって、ECサイトの効率的な運営は経営上、ますます重要な課題となりつつある。そんな中、ECサイト運用代行会社の活用を検討している事業者も多いことだろう。今回はECサイト運用代行会社を活用するメリットや注意点について解説する。
そもそもECサイト運用代行会社とは?
ECサイトを運営するにあたっては、EC特有の業務が多数発生する。商品の撮影と登録、商品説明文の作成に始まり、分析やデジタルマーケティングの運用やメールマガジンの制作・配信、商品の梱包や発送業務、さらにはカスタマーサービスの運用など、リアル店舗を運営する際には必要とされなかった作業やノウハウが求められることになる。ECサイト運用代行会社とは、そうしたアパレル企業やセレクトショップが不慣れな作業を部分的に、あるいは丸ごと請け負う業者のことをいう。
ECサイト運用代行会社を活用する最大のメリットはコスト削減
ECサイトの運用を代行会社に外注することの大きなメリットは、コストの削減と運用リソースの確保にある。運用業務は大きく4つの領域に分けられる。一つ目はデザイン領域(特集ページやバナー、メルマガの制作など)。二つ目は分析やマーケティングを司るビジネス領域。三つ目は受注処理や物流の管理といったバックオフィスの領域。四つ目は商品の撮影や商品説明文の作成、データ登録といったささげ業務の領域。それぞれの領域に精通した人員が自社内にいなければ、ECサイト運営実務の経験者を確保するか、新たに人材を採用・育成することが必要になる。
従業員を増やすことになれば、賃金や福利厚生費など大きな固定費が発生することになり、ECサイトの運営を軌道にのせるまでに時間がかかるようなら、経営を圧迫する事態ともなりかねない。ECサイト運用代行会社に業務を外注することで、従業員の数を増やすことなく業務の拡充が可能になる。
ECサイト運用代行会社が蓄積したノウハウを利用し売上アップを実現
ECサイトの運営においてはリアル店舗運営で培ったものとは異なるノウハウが求められる。SEOを踏まえた商品名や商品説明文の作成、モバイルユーザにターゲットを特化したキャンペーンや企画など、ECならではの施策が必要になる。高度なスキルを備えたECサイト運用代行会社に業務を依頼することで、一朝一夕では得難い専門性・ノウハウを習得することなく、即座に効率的なECサイトの運営が可能になるわけだ。
自社でECサイトを運営しようとする場合、とくに少数の運営担当者が通常業務と兼務して作業するケースでは、元々の通常業務がおろそかになるという事態が起こりがちだ。ECサイト運用代行会社に業務を委託することで、そうしたリスクを回避し、より堅調な成果を期待することができる。
ECサイト運用代行会社を活用することの注意点
ただしECサイト運用代行会社を活用する上で注意すべきことがある。運用代行会社といってもさまざまな業者があり、戦略企画や広告運用に長けている業者もいれば、商品撮影や商品登録などのバックエンドの業務が得意な業者もいる。また、食品分野のECを得意にしている業者もいれば、アパレル分野のECを得意にしている業者もいる。まずはECビジネスを構築するうえで、何を重視するのかを明確しておく必要がある。
それゆえ、アパレル企業にとってはアパレル業界に強い運営代行会社を選定することが重要である。特集ページや商品撮影・商品説明文の作成の作法から在庫管理のあり方まで、EC運用のノウハウは業界によって大きく異なるからだ。例えば、大人買いを促進するための施策やカスタマーレビュー機能の充実、ギフト対応など、食品業界において重要とされるノウハウは、必ずしも他業界において有効とはならない。アパレル企業のEC運用には、やはりアパレル業界に精通した代行会社を選定するのが賢明であると言えるだろう。
最後に
現状では実に多くのECサイト運用代行会社が市場に参入している。自社のニーズにあった業者やサービス内容を見つけることはもちろんだが、将来的に売上を最大化し続けるには、業者に業務を丸投げするのではなく、常に費用対効果を検証するなど、ECサイト運用業務にできるだけ積極的に関与するよう心がけ、健全なパートナーシップを築くことが必要となるだろう。