事例にみる優秀サイトのポイント
2018.08.08
世界中に熱狂ファンがいる「パンク・ファッション」BlackMilkに学ぶカルト的ファッションEC創造術
カルトのような勢いで熱狂的なファンがいる稀有なECサイトがある。
その名はBlackMilk。BlackMilkはパンクなファッションを好む女性向けにレギンス中心にパンクな服を販売している。BlackMilkのECサイトを見るとすぐわかるだろう。独自の世界観があって「熱狂的なファンがいる」ブランドであると。
熱狂的なファンを獲得できているのはECサイト運営者にとっては羨ましい限りではないだろうか。
本記事ではカルトのような熱狂的ファンを獲得しているBlackMilkに学ぶカルト的ファッションブランド創造術を紹介しよう。
ニッチなテーマのブログで熱狂的なファンを獲得
2008年、後のBlackMilk創業者となるJames Lillis氏は無職で何もない状態だった。
何とかしなければと思い立ったJames氏が始めたのはブログ「Toomanytights」だ。
なんとテーマは女性のレギンスだ。
James氏は男ではあるが女性のレギンスに対して異様なまで関心があったのだ。様々なデザイナーのデザインしたレギンスのレビューやレギンスへの愛をブログ上で発信し続けてきた。
「あなたレギンス履かないのになぜそんなに関心が高いの?どんな目的?」という疑問はさておきこのブログが女性の目に留まりたくさんの読者を集めることに成功。
その後ブログを通してレギンス販売を始め、ブログのコンテンツをFacebookなどのSNS上で拡散していった。すると瞬く間に各SNSでフォロワーを獲得。
レギンス愛の感じられるJames氏お手製のコンテンツが女性のハートをつかんだとみて間違いないだろう。
そして、ブログ運営だけでなくJames氏は自身でレギンスをデザインし始めた。彼のレギンスのデザインは独特でこれがまたまた女性の目に留まった。
さらにスターウォーズのデザイン、骨のデザインなどのこれまでにないデザインのレギンスをリリースすると人気爆発。
Facebookでコミュニティ形成
さらに、BlackMilk人気を加速させたのがFacebookである。
BlackMilkのレギンスを購入した顧客はレギンスのことを他の誰かと共有したくてたまらない。そこでBlackMilkのFacebookページにコメントするのだ。
すると、BlackMilkのデザイナーが直接コメントに返信する。他の顧客もそのコメント欄の盛り上がりぶりを見てコメントする。
たとえば顧客がもし「猫のデザインのレギンスが欲しいな」とコメントするとBlackMilkのデザイナーが直々に「検討してみるね!」と友達の様な距離感でコメントを返信する。
そして数か月後には猫のデザインのレギンスがリリースされることもある。FacebookはBlackMilkのファン同士、ファンとブランドが交流するコミュニティーとしてのみならず商品開発の場としても機能しているのだ。
ECサイトで独自の世界観を表現
BlackMilkのサイトを見てすぐ気づくのがサイトのカラーが黒と白色で統一されていることだ。それによってパンクな感じを醸し出すことに成功している。
基本的に商品以外のアイテムは黒もしくは白色で統一しており、商品を目立たせる工夫が見られる。
またそれによってBlackMilkのパンクなブランドイメージに統一感を持たせることに成功している。
最近のBlackMilkは日本スタイルに凝っているのか、着物テイストを取り入れたドレスや明治生まれの日本人画家・小原 古邨氏の絵柄のドレスもリリースしている。
Instagramに投稿されているBlackPinkの服もサイトとリンクされている。
BlackMilkの成功はパンクなレギンスと言うニッチなテーマの商品を開発し、そのテーマに関連したレギンスのコンテンツを拡散するためにFacebookという巨大プラットフォームを使い倒した点にある。結果的に世界中にBlackMilkを支持する熱狂的ファンを獲得することに成功した。
BlackMilkから独自の世界観を形成し「熱狂的なファンがいる」ブランドを創る方法として参考にできる点は多いのではないだろうか。