モデル撮影
アパレルのイメージ画像や商品撮影には人を被写体とするモデル撮影が欠かせません。洋服やアクセサリーなどをモデルが身に付けることで、着用例や使用シーンなどに関してより具体的なイメージを提供することができます。効果的なモデル撮影の方法について解説します。
アパレルの撮影は、商品の肌触りや質感など、本来写真では表現しにくいできないはずのことを伝えることも重要です。多種の照明を使って、光の質や撮影方法にこだわった撮影が行われます。
また、被写体が人である以上、カメラマンはモデルと呼吸を合わせることも大切です。カメラマンにはモデルのもっている特長を引き出すことが求められますし、モデルもカメラマンの意図をくみ取らなくてはなりません。コミュニケーションを重ねながら、互いの理解を深めながら、撮影現場の雰囲気を作り出していくわけです。
カメラマンとモデル、ヘアメイク、スタイリストらがゴールを共有して撮影に臨むことが重要です。それぞれの信頼関係があってこそ、質の高いモデル撮影が可能になります。
商品の美しさを際立たせるには、モデルと商品との相性が問われます。モデルの表情やポージングにいたるまで、すべての要素がかみ合っている必要があります。
モデル撮影では、屋外でのロケーション撮影を行うこともよくあります。その場合は、モデルと商品だけでなく、ロケーションとモデルの雰囲気が合うことも重要なポイントになります。
モデル選びは慎重に行う必要があります。
モデル選びにおいて最も重要なのは、素材そのもの美しさではなく、自社の商品を見にまとった時に美しく見えるかどうか。すなわち、モデルと商品との相性です。
モデルのスキルレベルを判断することも必要です。見た目が美しいモデルが表現力を備えているとは限りません。
そのためには、コンポジット(モデルの過去の作品が載った資料)だけで判断するのではなく、オーディションを実施し、実際に本人に商品を着せて見てみることが重要です。コンポジットだけでは見えない体型の癖やモデルとしての力量を確認することができます。
商品撮影において、モデルは商品の魅力を伝えるための一要素でしかありません。商品の魅力を伝えるという目的を撮影隊と共有し、クライアントが求める写真を撮影することだけにフォーカスできるモデルを選ぶ必要があります。
商品の魅力を最大限に引き出すためには、あらゆる面でプロの仕事が求められます。ヘアメイクやスタイリングも例外ではなく、モデル撮影において重要な役割を果たします。弊社では、スタッフのコーディネートやモデルのキャスティングも行っています
モデル撮影の流れは以下の通りです。
撮影の申し込みを行ないます。撮影商品や撮影点数、起用したいモデルのイメージなどを伝えますが、未定の場合は相談に応じます。
問い合わせた内容に応じて見積もりを発行します。
希望に合った撮影を行うための打ち合わせを行います。商品のイメージに合わせたモデルやスタジオ、アートディレクター、スタイリストなどを提案します。年齢層や日本人モデル、外国人モデル、男女、人数などの希望があれば、この段階で確認します。
モデル資料(コンポジット)、オーディションをもとに最終的なモデルを決定します。
起用するモデルが決まったら、モデルや撮影スタッフ、スタジオなどのスケジュール調整を行い、撮影日を決定します。
撮影を行います。希望に沿った写真撮影とするにはクライアントが立ち会うのが理想的です。
撮影した画像がメール、もしくはCD-ROMなどの媒体で納品されます。
写りこんだ小さなホコリやキズなど、撮影の段階でやむをえず対処できなかったものは、撮影後のデータのレタッチで解決します。モデルの肌の修正、写真の明るさや色の調整なども同時に行うことが可能です。必要があれば、合成なども。
モデル撮影時の使用機材は、デジタル一眼レフカメラ(メイン機とサブ機の二台)、三脚、レフ版など。シーンごとの背景や、商品やモデルを引き立てるための小道具や、ロケ撮影を行う場合、ロケバスの手配やケータリングなども用意します。
モデルを起用した撮影では、カメラマンとモデルを含めるスタッフ全員の信頼関係がポイントになります。緊張したモデルをリラックスさせ、楽しい現場作りをおこなうのは、総指揮を執るアートディレクターやカメラマンの腕にかかっているとも言えます。
カジュアルブランドの撮影では、こうした日常風景を意識したシチュエーションでのリラックスした表情が求められます。
モデルを使ったコンタクトレンズのイメージ画像です。背景や小物をピンクで統一することで、目元に視線を集める工夫をしています。華やかなアイメイクも商品を際立たせるのに一役買っています。
モデルが商品の魅力を伝えるための一要素でしかないことがよくわかるイメージ画像です。モデル撮影に求められるのは、リアリティや臨場感とともに商品を美しく見せることであり、モデル自体が美しく見えることではありません。