LOCATION SHOOTING

ロケ撮影

機材や商品を屋外に持ち出して撮影するロケ撮影は、アパレルやアクセサリー、ジュエリーなどの服飾雑貨でも頻繁に行われます。スタジオでは生まれにくい臨場感やリアリティのある撮影ができるのが特徴です。ロケ撮影のポイントやロケーションの選び方、具体的なロケーション例について解説します。

ロケーション撮影のポイント

商品のみを使ったもの

ロケーション撮影において重要なポイントとなるのがテーマ、コンセプトです。商品をどのように見せたいのか、どんな風に表現したいのかなど、狙いに沿ったテーマ・コンセプトを設定し、それに引っ張られる形で撮影を進行するのが理想です。

テーマが決まれば、次はロケーション場所の選定を行ないます。商品のイメージとテーマに合致したロケーション場所であるかどうかが、出来栄えを左右します。撮影する季節や時間帯も重要です。冬の凛とした空気感や夏の強い日差しはもちろん、早朝の静けさや、たそがれ時の夕焼けの名残りも撮影する写真に影響します。撮影時にフィルターを用いる方法もあります。

ロケーション撮影では、被写体や写したい背景以外に不要なものが写りこんでしまうケースが少なくありません。立ち位置やアングルの調整によって回避する方法と、レタッチによって排除する方法とがあります。場合によっては大きな影ができたり、逆光となったりするため、ロケーション・ハンティングの際にきちんと確認しておく必要があります。

その日の天候によってコンディションが変わるのもロケ撮影の大きな特徴です。スタジオでは簡単に明るさをコントロールできますが、ロケ撮影では撮影に適した環境を整えるのが困難な場合もあります。急な天候の変化で撮影が中止されることも少なくありません。

また、時間によって明るさや光の質が変化するため、限られた時間で撮影する必要があります。長時間の撮影によってモデルが日焼けしてしまったり、体調を悪くしたりなど、想定外の事態も起こることもしばしばです。弊社では、そうしたリスクマネジメントも徹底的に行なっています。

ロケーションの探し方

都市部だけでなく、郊外や自然のある場所など、テーマによって撮影に適したロケーション場所は変わってきます。求めるイメージにふさわしい場所を探し出し、効果的な構図で撮影を行うことで、初めてクオリティの高い写真を撮影することが可能です。

撮影に使えそうな場所はたくさんありますが、闇雲に探していても、イメージに合った場所を探すのはなかなか見つかりません。手早くロケーションを探し出す方法としては、例えば、以下のようなインターネット上のデータベースを活用する方法もあります。

全国ロケーションデータベース
https://www.jldb.bunka.go.jp/

ロケ地の候補を「フリーワード」や「地域別」「カテゴリ」「時代」別に検索することができます。日本国内のロケ地についての詳細情報を調べることも可能。撮影許可などの問い合わせ先も明記されているので、情報収集に時間を費やす必要がなく便利。

ロケなび
http://locanavi.com/
おすすめのロケ地が一覧で表示されており、手軽に情報収集することができます。「フリーワード」による検索も可能で、必要機材や車両、美術、衣装などのレンタルサービス業者を検索することもできます。

ロケバンク
https://locationbank.co.jp/
カフェやバー、一般の住宅からリゾート施設など、さまざまなロケーションを探すことができます。現地のスタイリストやヘアメイク、美術、衣装、必要資材など、撮影に必要なリソースの手配も可能です。

東京ロケーションボックス
http://www.locationbox.metro.tokyo.jp/about/
ロケ地探しから撮影委託までをサポートするロケコーディネイトサイトです。東京都内のロケ撮影に関する情報や自治体の窓口情報などを提供しています。関連機関への手続きの方法や製作相談なども紹介しています。

ロケーション例

最後に、ロケーション撮影の事例をいくつか取り上げて、それぞれの特徴について簡単に解説しましょう。

  1. ロケーション例1

    都市部での撮影です。街並みをロケーションとすることで、現実味のある写真を撮影することができます。場所が特定できる場合は、撮影許可の取得も行います。

    都市部での撮影
  2. ロケーション例2

    室内での撮影です。時代を感じさせるインテリアはモデルを使ったロケ撮影でよく用いられます。自然光と照明を併用し、非日常的な雰囲気を演出しています。

    室内での撮影
  3. ロケーション例3

    商品の魅力を引き立たせるのは、特別感のある場所とは限りません。日常的な風景におけるロケ撮影は、商品への親近感を誘う常套手段とも言えます。

    ロケーション例3
  4. ロケーション例4

    砂漠地帯でのロケ撮影。ボタニカル柄のマキシドレスと背景のサボテンが調和していて、統一感のあるイメージ画になっています。ユニークなシチュエーションは、「Every day is a new adventure a new story.(毎日が新しい冒険、新しい物語)」というテーマとも呼応しています。

    ロケーション例4

アートディレクターやカメラマンは撮影に適した場所に関する情報も豊富にもっていて、欲しい写真のイメージを伝えるだけで、適切な場所をすぐに見つけることができます。天候の影響を受けやすい環境でも、テーマにふさわしい写真を限られた時間で撮影することが可能です。ロケ撮影を成功させるのであれば、クオリティ・コストの両面でプロに委託するのが賢明です。

TOPへ戻る