ITEM SHOOTING

商品撮影

商品撮影はイメージ撮影とは異なり、ECサイトやカタログにおいて、商品の形状や質感などの客観的な情報を伝えると同時に、商品の魅力を伝えるための写真を撮影することを指します。そのため、商品撮影はECサイトやカタログでは必要不可欠なものになります。商品撮影による写真によって、ユーザーの購買意欲を掻きたて、「欲しい!」という魅力を感じさせることが重要になります。
商品撮影を行うには、商品撮影が得意で経験値が高いプロカメラマンに撮影を依頼するのがベストです。カメラマンによって商品撮影が得意なカメラマンと、そうでないカメラマン(風景やイメージ写真の撮影が得意なカメラマン)がいるからです。商品撮影が得意なカメラマンによる商品撮影では、商品の効果的な見せ方と専門の機材、そしてカメラマンのセンスや技術によって完成度の高い商品写真を撮影することができます。商品の全体像はもちろん、袖口や襟元、ボタンなどといった一部のカット写真も商品をより魅力的に見せる効果があります。その商品が持つ魅力をどれだけ写真で伝えられるかによって、ECサイトの売り上げも大きく変わってきます。

参考例)モデル着用画像と置き画像を組み合わせた撮影例

モデル着用画像

モデル着用画像

置き画像

置き画像

モデルに表情を持たせ、自由なポージングで撮影することで躍動感があるモデル着用写真に仕上がっています。また、モデルが立っている床を木目調にしてブランドの雰囲気を出す工夫をしています。 モデル着用画像とは対照的に、置き撮影では商品の形状やプリント柄のアップなど、客観的な情報を与える役割の写真として機能させています。

撮影方法のバリエーション

商品撮影の仕方には様々なものがあり、商品をどんな風に見せたいかによって、撮影方法が変わります。

モデルを使用した撮影(モデル着用画像)

商品を実際に着たときのシルエットや素材感が伝わりやすく、さまざまなポージングによって、商品をより魅力的に伝えることができます。

モデルを使用した撮影

マネキンやトルソーを使った撮影

商品を実際に着たときのようなイメージを伝えることができます。モデルを起用するよりもコストを抑えることができます。また、モデル撮影だとどうしてもモデル本人の年齢感やイメージが出てしまうので、トルソーやマネキンを使用することによってそのような偏ったイメージの付着を回避することができます。

マネキンやトルソーを使った撮影

吊るし撮影

商品にピンを打ち、壁から吊るして撮影する方法です。自然なドレープができ、美しい印象の仕上がりになります。

吊るし撮影

平置き撮影

商品を床や撮影台に置いて俯瞰の状態で撮影します。メンズのアパレル商品などで適しています。

平置き撮影

このほかにも、アクセサリーやジュエリーなどの撮影では、「周りに余計なものを置かないようにして商品への映り込みを防ぐ」、「三脚を利用して撮影する」などの基本的なポイントから、「背景を変えて、商品をより魅力的に見せる」ことや、布やアクリル板を使ってジュエリーが持つ輝きをより効果的に演出する手法などがあります。 とくにファッションアイテムやアクセサリー、ジュエリーなどにおいては、白いものは白く見せる、黒いものは黒く見せる、透明なものはより透明感を持たせ、硬いものは硬く、柔らかいものは柔らかさを伝える、といった素材をそのまま写真を通して伝えられる、クオリティの高い商品写真を撮ることが一番のポイントとなります。

撮影の流れ

撮影準備~撮影~納品までの流れについては以下の通りです。撮影料金はカメラマンやスタジオ、モデルによって異なります。

  1. 1. 撮影の見積もり依頼・発注

    撮影する商品、数、納期、予算などをお伝えください。

  2. 2. 撮影内容の確認

    実際に撮影する商品の内容確認と納品方法についての確認などをおこないます。

  3. 3. 撮影日決定

  4. 4. 商品受け取り

    撮影商品の受け取りをおこないます。持ちこみが難しい場合は事前に輸送する必要があります。商品の破損や汚れなどがないよう、十分気をつけて発送してください。

  5. 5. 商品チェック、企画、準備

    商品到着後、イメージ構想を計画し、必要機材や演出小物、小道具などの準備をおこないます。

  6. 6. 撮影

    お客様に撮影に立ち会っていただき、テイストや画角、商品の置き方などについてすり合わせしながら撮影します。

  7. 7. 画像確認

    画像をメールなどでお客様へ送付します。お好みの画像を選定してもらいます。

  8. 8. 画像補正・レタッチ

    必要に応じて画像の補正(色調の補正やモデルの肌色の補正など)を依頼することができます。

  9. 9. 納品

    補正した最終画像を納品します。メール、FTP、CD-ROM等ご希望に合わせた方法で納品をおこないます。

撮影時の作業工程や機材について

  1. レタッチ

    商品撮影においてレタッチ(画像編集・加工)はパソコンを使って、商品をより魅力的に見せるための必要な手段です。例えば、形が複雑なアクセサリーやジュエリーなどは、それぞれ光の加減で質感も異なります。より美しさを引き立てるためには、部分的に撮影した写真を合成してジュエリーが持つ輝きをより強調させることができます。
    また、写りこんでしまった小さなごみなどもレタッチすることできれいに除去することが可能。微妙なコントラストの調整や色味の強調、明るさなどは何度も撮影を繰り返すより手間もかかりません。コストを抑えるためにもレタッチは効果的といえるでしょう。

  2. 照明

    商品の素材感や質感、色を美しく見せるために照明はもっとも重要なものです。写真撮影においての光は、包む光と逃げる光がポイントといわれています。柔らかい光で商品を包み込み、かつ光の逃げ場所を作り出すことで、コントラストをうまく演出することができ、よりクオリティの高い商品写真を映し出すことができるのです。

  3. ストロボ

    通常の定常光では演出できない色や明るさ、光の効果などをより効果的に見せるためにストロボは欠かせない照明機材です。ストロボを使った撮影では、大きな光を一瞬光らせて撮影します。そのため、通常の光の影響を受けることはありません。通常の明るい部屋でも撮影することが可能です。

  4. 一眼レフ

    高解像度の商品撮影をおこなうのに一眼レフは必要不可欠。特に、撮影後にパソコンとカメラをつなげて操作ができるデジタル一眼レフを使うことが一般的です。

  5. レンズ

    基本はオールマイティに使える標準ズームレンズや、ピアスや指輪などの小さなアイテムを撮影するマクロレンズです。このほかにも、広角レンズや望遠レンズなどがあれば、商品撮影の内容によって必要になります。

  6. 三脚

    同じ角度での撮影や長時間に及ぶ撮影などで、三脚は必要不可欠な使用機材のひとつといえます。撮影では軽さよりも安定性のあるタイプのものが一般的です。。縦横、傾きなどをスムーズに動かすことができます。

  7. レフ版

    商品撮影の必須アイテムであるレフ版。光を反射し、効果的に影を作り出す大切な役割を持っています。

  8. 背景紙

    商品を効果的に見せるたり、ブランドイメージを付与させるために必要となります。最低でも白と黒、グレーの3種類の背景を想定して撮影に臨みます。

テクニック・職人技

洋服やファッション小物、アクセサリーやジュエリーでの商品撮影では、実際の色との相違がないように撮影する技術が必要となります。撮影時の光の当たり具合などでは、特に色が違ってしまうことが多いため、ホワイトバランスの調整や露出補正機能などの調整が必要となります。

ホワイトバランスは、被写体にあたる光の種類によって変わってしまう色味を調整し、自然に近い色で撮影するためのカメラ機能の一つです。やや暖色系の電球の光や青みがかってみえる蛍光灯、自然界の太陽光など、一見無色に見える光でもその下で商品を撮影すると、それぞれに色の特徴を感じることができます。ホワイトバランスを調整することで、商品と光の色との色かぶりを除去し、商品本来の色を出すことができます。

露出補正機能は、被写体を撮影するときに取り込まれる光の量を調整するための機能です。一般的なデジタルカメラでは自動露出機能が働き、そのシーンで最も最適と思われるモードに調整されます。しかし、商品によってはイメージどおりの明るさにならないといった場合もあります。そんなときにプロのテクニック技として微妙な露出補正を行い、イメージしたとおりの明るさで商品を撮影することになります。

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