マーケティング

2018.03.26

【費用対効果を最大化!】ZOZOTOWNが行った戦略・施策

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引用元:スタートトゥデイ

国内のアパレルECとしては最大規模を誇り、従来の常識を打ち破るような画期的な戦略で世間の話題を集め続けるZOZOTOWN。思い切った施策は業界全体に大きな影響を与えることも多く、その一挙手一投足に注目が集まっている。そんなZOZOTOWNがこれまでに実施した戦略・施策のなかから、費用対効果の高いと思われるものを取り上げて紹介する。

 

2億円分の商品を無料で提供

ZOZOTOWNが開設されたのは2004年12月。それから10周年を迎えたことを記念して、2015年4月におよそ2万点、総額にして2億円にもおよぶ商品を無料で提供する企画を実施し、全ての商品が発売の翌日未明には完売した。

一人当たり一点のみしかカートに入れられないシステムとしたため、商品数と同じだけの人が無料で商品を購入したことになる。つまり、2万人のユーザーに対してプレゼントキャンペーンを行ったというわけだ。

この企画は事前に発表が行われずゲリラ的に開催されたため、システムエラーを疑うユーザーも多かったようだが、販売終了後に公式サイトにて10周年を記念したサプライズ企画であったことがアナウンスされた。

事前告知のない企画といえば、かつてはサイトを訪問したユーザーしか企画の存在を察知することができないため、高いPR効果を期待できなかった。ところが、SNSが普及した現代では、個人間のやり取りによって自動的に情報が伝播する。あえて告知しないことで、かえってSNSを使ったユーザー間のコミュニケーションを活性化し、自発的な流入を促すことにつながったと言えるだろう。

また、2億円分を無料で提供するとなると、かなりの損失を生むようにも思えるが、販売された商品の多くはセール対象となるような季節遅れの商品。魅力的な企画を目当てに頻繁にサイトを訪問するユーザーが増えることを考えれば、費用対効果の高い施策であったといえそうだ。なかには「申し訳ございません。お客様の希望商品はタッチの差で他のお客様に購入されてしまいました」というメッセージを受け取ったユーザーも多く、衝動的な商品の購入を促すことにも成功している。

 

個別化された“割引き”施策「あなただけのタイムセール」の実施

2011年にtwitterと連携したポイントキャンペーン「ZOZOナンバー」を、2013年には2012年に開始した「ポイント10%還元」企画を翌年に中止するなど、ポイント制度には一定の距離を置いているZOZOTOWNだが、最大で3,000円以上を割り引く「ブランドクーポン」を定期的に発行するなど、割引き施策は積極的に実施している。2017年には新たに「あなただけのタイムセール」を開始。商品をお気に入りに登録しておくことで、期間限定で10%引きの価格で当該商品を購入できる旨のメールが不定期で届くというもので、順調に売り上げが伸びているようだ。

欲しい商品があり、お気に入り登録したとしても、特別なきっかけがないとなかなか購入にはいたらないものだ。「あなただけのタイムセール」はそうした購入のきっかけ作りのための割引き訴求を個人単位に行う施策で、ユーザー全員に対してではなく個人に向けて行うことで、特別感を演出している。

割引きするタイミングを計ったり、対象商品の選別を行ったりする上では、売上と利益のバランスが取れるように試行錯誤が繰り返されている。ユーザーそれぞれと適切なコミュニケーションを取れるような仕組みづくりが欠かせない。ZOZOTOWNでは、2010年頃から独自のCRM戦略に取り組み、「お客さまと友達のような関係になること」を目指してきた。「あなただけのタイムセール」は、個々のコミュニケーションを最適化し、ユーザーとの長期的に友好関係を築くことでROI(投資利益率)を改善する戦略の一部として位置づけられるものだ。

 

後払い決済サービス「ツケ払い」の実施

 

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引用元:スタートトゥデイ

ZOZOTOWNは、2016年11月に「ツケ払い」を開始。商品代金の支払期間を最長で2ヶ月間延長できるというもので、サービス開始後、取り扱い量が大幅に拡大している。利用する場合は、支払い方法のなかから「ツケ払い」を選び、商品が到着してから郵送される振込用紙を使ってコンビニエンスストアや銀行などで代金を支払う。利用限度額は税込で5万4,000円となっており、1回当たり324円の手数料が必要。

当初から、支払い能力の低いユーザーの買い過ぎを助長し、滞納を促してしまうのではないかと指摘されており、実際にSNS上では督促状が届いたとの投稿も頻繁に見られる。ZOZOTOWNでは、未成年者が当サービスを利用する場合、保護者の同意を必要とするなどの対策を行ってきた。

問題含みではあったものの、サービスを開始しておよそ10カ月の2017年8月に、スタートトゥデイは「ツケ払い」の利用者数が100万人を突破したことを発表。同年9月期の売上高、営業利益はともに前年同期に比べて大幅に増加している。

利用者の内訳としては、圧倒的に女性の割合が多い。また年代別では41.2%と20代の利用者が最も多く、次いで30代(25.7%)、40代(17.2%)、10代(15.9%)となっており、クレジットカードを持っていない中高生、主婦といった層を取り込むことにも成功していることが想像できる。

 

最後に

成功しているZOZOTOWNの施策の陰には、早々に打切りとなった施策も多い。自信を持って取り組む企画でも、うまくいく割合は半分に満たないという。2017年から実施しているZOZOSUITの無料配布、プライベートブランドの開始が記憶に新しいが、膨大な費用を投入したこれらの施策さえ、将来的にどれほどの利益を生むかは未知数だ。費用対効果が高い施策を生み出すには、失敗を恐れず、時に大胆な施策にも積極的に取り組む姿勢が求められる。

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