マーケティング

2018.01.29

ZOZOSUITがアパレルECに与えるインパクトとは?

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引用元:ZOZOTOWN

スタートトゥデイがヌードサイズを瞬時に採寸できるボディースーツ「ZOZOSUIT」を発表したことで、アパレルEC界隈が少なからず騒がしくなっている。アパレルECにおける最重要課題の一つであるサイズ問題を解決する画期的な構想を取り上げ、が、アパレルECの今後に与えるインパクトについて考える。

スタートトゥデイがZOZOSUITを発表

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引用元:Youtube

ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイは、2017年の10月30日にプライベートブランドの展開を発表。11月22日には、ブランド名を「ZOZO」とすることを報告した。体の寸法に合わせて洋服の受注生産を開始すると噂されているが、同時に公開されたのが、ZOZOSUITだ。体の各所の寸法を計測する伸縮センサーを内蔵したボディースーツで、希望者には無料で配布されることもアナウンスされた。

ZOZOSUITは、内蔵センサーがBluetooth通信によってスマートフォンと接続し、着用する人の身体データを即時に収集することができる。これによって、オンラインでは難しいとされた試着のプロセスを経ることなく、体にちょうどあったサイズのものを購入することが可能となり、顧客満足度を向上させるとともに返品数を大幅に減少させることが期待されている。

アパレルECのサイズ問題への全く新しいアプローチ

スタートトゥデイは、ZOZOSUITが採用するウエアラブルセンサーを開発したニュージーランドのスタートアップ「ストレッチ・センス(StretchSense Ltd.)に対して、2016年から資金提供を行ってきた。将来的に子会社化も想定しているなど、ZOZOSUITを軸とした戦略に大きな力を注いでいる。

多くの消費者が不安を抱えるサイズの問題は、アパレルECが抱える最重要課題の一つだ。これまで人間やAIが最適なサイズを提案したり、手持ちのアイテムと比較することで最も好みに近いサイズを導き出したりするサービスが展開されてきているが、いずれも根本的な解決には至っていない。また、返品にかかる配送料や手数料を無料とすることで実質的に自宅での試着を可能としているECも少なくないが、購入にかかる時間や手間を考えると、時代に適合しているとは言い難い。

いずれ着心地や生地感までもがZOZOSUITのカバー領域に

今回のスタートトゥデイの戦略が、そうしたサイズ問題を解決するための大きな一歩となることには疑いの余地がない。さらに重要なのは、スタートトゥデイが顧客の身体データに関して、競合他社が到底手にし得ない規模の情報をいずれ独占するであろうことだ。

前沢社長自身が「世界中のお客様の体型を最も知り尽くした企業」になると明言している通り、ZOZOSUITによって得たデータは、プライベートブランドにおいて利用されることはもちろんだが、身体データを保持することで、あらゆるブランドが提供する商品をジャストサイズで提供できるようになるだろう。

他のECはもとより、リアル店舗で実際に商品を試着してから購入するよりも、ZOZOSUITによる的確な採寸ができるZOZOTOWNで購入する方が最適なサイズで購入できる、と言えるかもしれない。更に、ZOZOSUITが年を追うごとにアップデートされていけば、将来的には肌の敏感さや体感温度などといった詳細な顧客情報を収集することで、着心地や生地感などもカバーできるようになることも十分に考えられる。

最後に

だとすれば、ZOZOSUITがアパレルECに与えるインパクトは相当なものになるであろう。スタートトゥデイでは、2018年3月期第2四半期に機械設備だけで9億円、その他研究開発費や海外展開のための費用を合わせると、合計約21億円を投じている。従来とは比較にならない質・量の顧客情報を手にすることができることを思えば、それだけの投資をした価値は十分にあると言えそうだ。

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