マーケティング

2018.03.08

プライベートブランドが始動!「ZOZO」はアパレルECに革命を起こせるか?

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引用元:ZOZOTOWN

2018年1月31日、大手アパレルECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイが、かねてより発表のあったプライベートブランド「ZOZO」の販売を開始した。ディテールに至るまで「完全オーダーメイド」と低価格を実現したことで、アパレル業界はどう変わるのか。

ZOZOTOWNがプライベートブランドZOZOを発表

ZOZOTOWNのプライベートブランドZOZOは、2017年11月に発表され、2017年内の販売開始が予定されていた。ところが、無料で提供されるうボディスーツZOZOSUITに想定以上の予約が殺到したために生産が追いつかなくなり、ZOZOのスタートも延期となっていた。予定よりは少し遅れはしたものの、2018年1月31日、いよいよZOZOの販売が開始された。その最大の特徴は、伸縮センサーを内蔵したボディスーツによる採寸結果をもとに一人一人のサイズを割り出し、体型に合った服をオーダーメイドで製造し、販売するというものだ。ZOZOSUIT生産の遅れがまだ完全には解消されてはおらず、2017年末に予約した人でも最大で8ヶ月以上待たなくてはならない状況のため、現時点で利用できるのは一部の消費者に限られるという。

「完全オーダーメイド」のベーシックアイテムを展開

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引用元:ZOZOTOWN

今回発売されたZOZOの商品は、クルーネックTシャツとデニムパンツの二種類。かねてより発表があった通り、極めてベーシックでカジュアルなファッションアイテムだ。見た目はごくシンプルだが、その内容は驚くべきものだ。着心地と着たときの印象、いずれにおいても満足が得られるよう研究を重ねてきたというだけあって、1アイテムにつき数千から数万という数のサイズパターンを作り出しているという。また、生産過程ではIT化やオートメーションが徹底され、かなりの数の注文に短納期で対応可能なシステムが構築されている。需要が高いものに関しては在庫も準備されるため、最速で即日の商品発送も可能だ。

商品へのこだわりも相当なものだ。例えば、クルーネックTシャツは、ネックラインの深さ・大きさ、裾幅がボディサイズに合わせてミリ単位で調整される。各部位のステッチの縫い幅の太さや長さも、注文する人の体型によって変化するという。しかも、着丈や胸囲など、好みに合わせて数センチ単位でカスタマイズすることも可能だ。デニムパンツも同様で、ウエスト寸法やレングスだけでなく、ボタンやリベットの大きさ、ポケットの形や位置に至るまで、快適なフィット感を得るための工夫が施されている。クルーネックTシャツ、デニムパンツ、いずれも「完全オーダーメイド」という文句が大袈裟に感じられない内容で、ここ数年アパレル業界で目立ち始めている「セミオーダー」とは一線を画すものと言えるだろう。

オーダーメイドの常識を破る低価格

もう一つ、多くの人が驚かされたに違いないのが価格だ。クルーネックTシャツは1,200円、デニムパンツで3,800円という安さは、いわゆるファストファッションの水準。これまで、オーダーメイドというとオートクチュール(高級注文服)を連想させたが、「オーダーメイド=高級」「低価格=ファストファッション」という従来のアパレル業界の常識を完全に破壊したとさえ指摘できる。

格式や注文の過程を楽しむ従来のオーダーメイドと違い、短納期で気軽に購入できるのがZOZOのオーダーメイドの特徴だ。大量生産品で低価格ではあるが、ファストファッションとも大きく違っている。本格的な世界戦略も視野に入れてITやIoT技術を駆使し、これだけの規模で「完全オーダーメイド」を低価格で実現したことは、サイズに関する課題を抱えてきたアパレルECにとってはもとより、服飾史全体で見ても画期的な出来事と言ってよいだろう。これまでアパレル業界にとって手付かずだった領域を大きく押し広げる可能性を秘めていると言えるかもしれない。

合わせて導入された「自分サイズ検索」機能

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引用元:スタートトゥデイ

ZOZOは第二の収益の柱となることが期待されているが、スタートトゥデイにとって今後最大の武器となることが予想されるのが、ZOZOSUITが集積するビッグデータだ。ZOZOの発売と合わせて導入された「自分サイズ検索」機能はその先駆けと言えるもので、ZOZOTOWNで販売されている他の商品を購入する際、自分の体型に合うアイテムを検索できる。

ZOZOTOWNではあまりに多くの商品を取り扱うため、商品カテゴリやブランドから絞っていく従来の検索方法では目にすることすらできないアイテムやブランドも少なくない。「自分サイズ検索」は、「自分の体型に合うサイズ」を主要なパラメーターとすることで、これまでとは違った商品との出会いを促すことになる。

想定されるようにZOZOSUITが普及すれば、スタートトゥデイは世界中のどの企業も持たない貴重なサイズデータを独占することになる。プライベートブランド成功の可否も気になるところだが、集積したビッグデータを使ってスタートトゥデイが将来的にどのようなビジネスを展開するのか、楽しみなところだ。

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