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2016.10.04

元銀行家が創業したビジネスカジュアルなファッションブランドZachary Prell

職場においてスーツ、ネクタイのようなカッチリとしたフォーマルな服装ではないビジネスカジュアル(明確な定義はないがトップスに襟付きのシャツ、ボトムスにスラックスが一般的)な服装を採用する企業がIT企業を中心に増えている。これは日本だけでなく米国においても同様だ。

職場における服装の自由度が高くなることは男性にとっは、嬉しい、というよりは、服装選びが大変になる・厄介なこと、でもある。そんな状況の中、「職場向けのカッコ良いファッション」を提供し、男性のニーズをくみ取って成功したのが今回ご紹介するメンズファッションブランドのZachary Prellだ。

 

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Zachary Prellは2006年、米国において設立され2000万ドル(約21億円)の資金調達に成功している。

 

創業のきっかけ

 

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Zachary Prellの創業者であるZachary Prell氏はボストン大学を卒業後、投資銀行で多くの企業のM&Aを手がけ、その後ベンチャーキャピタルに転職してスタートアップの資金調達の支援をしていた。

Prell氏が働いていた職場ではスーツ、ネクタイという服装ではなく襟付きシャツなどのビジネスカジュアルな服装が一般的だった。しかし、どのシャツも長すぎる、身体にフィットしていない、キツキツな袖、パリッとしていない襟首など、上着に着るジャケットにまったく合わないものばかりだった。Prell氏はこの襟付きシャツに関して改善すべき余地が多分にあると感じていた。

2004年、Prell氏はコロンビア大学ビジネススクールに参加するチャンスに出会い、新しいブランドを立ち上げるプロジェクトを進めることになった。このプロジェクトにおいてアパレル製造の専門家から製造のノウハウを学んだり、中国の高い質のアパレルを製造する工場とのコネクションを持つことができたのだ。このプロジェクトから、ブランドZachary Prell の歴史は始まった。

 

Zachary Prellのラインナップ

Zachary Prell の商品のラインナップは長袖・半袖の襟付きシャツ、ポロシャツ、Tシャツ、セーター、ジャケット、ボトムス、水着だ。

当初より販売してきた襟付きシャツがZachary Prell の主力商品。襟付きシャツの一例を紹介しよう。

 

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中でも「EILERT」はイタリアから取り寄せたコットン100%の生地でできているシャツ。Zachary Prellの襟付きシャツはウエストのあたりを少し細めに絞ることで身体にフィットしやすくすると同時に、見た目もスタイリッシュに映えるように仕上がっている。価格のは158ドル(16200円)。

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ターゲットは「専門的な職業を持ち、日々忙しくしている男性」

 

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Zachary Prell は自社ブランドのターゲットとなる顧客像を「専門的な職業を持ち、日々忙しくしている男性」としている。彼らはある程度裕福であろう。ここから観察できるのはZachary Prellは安い価格で服を大量に販売する低価格路線は目指してはいない、ということである。高品質な服を決して安くはないが妥当な価格で販売している。

また、Zachary Prell はECサイトのみならずNeiman Marcusなどの高級デパートにおいて商品を販売している。ブランドの認知度を高める、より良い売り場を求めてトランクショーにも積極的に参加してきた。これらEC以外での活動もZachary Prell のブランドイメージの形成につながっている。

 

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Zachary Prellは各シーズンごとに着こなしの写真集「SHOP THE LOOK」を発行している。モデルがZachary Prell の服を着こなしている写真が並ぶ。ハイクオリティーなビジュアルの数々で、ビジュアルの1つ1つの細部にZachary Prellのこだわりが見てとれる。

 

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 まとめ

Zachary PrellはファッションECが陥りがちな低価格路線でブランドを安売りするのではななく、商品の質の高さとブランドとしての見せ方にこだわっている。そして、質の高さ、ブランド世界観に対して少々高くてもお金を払う価値を十分分かっている「専門的な職業を持ち、日々忙しくしている男性」を顧客として獲得してきた。このZachary PrellがECサイトのみで完結するのではなく高級デパートなどでの販売もしているところ、ハイクオリティーな写真集「SHOP THE LOOK」などはECにおけるブランディングにおいて参考にできるのではないだろうか。

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