事例にみる優秀サイトのポイント

2017.06.16

精神疾患に対する偏見撲滅をテーマに支持されるブランド「Wear Your Label」

da

https://wearyourlabel.com/

うつ病をはじめとする精神疾患を患う人が日本をはじめ世界中で増えている。

この精神疾患というのはなかなか他人にカミングアウトしづらい雰囲気がある。そして、精神疾患は社会的に十分に理解されているとは言えず、Stigma(スティグマ=烙印、汚名、負の印象)を押し付けられがちだ。

そんな精神疾患に対するスティグマを解消することを狙いに立ち上げられたブランドが「Wear Your Label」だ。

 

創業のきっかけ

 

aa

https://wearyourlabel.com/pages/about

創業者のKayley Reed(以下ケーリー)氏とKyle MacNevin(カイル)氏の2人は大学時代、精神保健機関でボランティアをしていた時に出会った。実は2人とも、過去に精神疾患を患っていた経験があり、すぐに意気投合した。もう1つ2人には共通点があった。それは「ファッション」だ。

ケーリー氏はモデル兼ファッションブロガーとして活動しており、カイル氏もケーリー氏がかつて会ったことのない高いファッションセンスを持った男性だった。

2人はファッションと精神疾患という2つをテーマに「Wear Your Label」というファッションブランドを立ち上げることを計画するようになった。

たとえば、It’s okay not to be okay(大丈夫じゃなくても大丈夫)、Self care isn’t selfish(自分を大事にするのは自己中心的じゃない)と言った心理学的なフレーズをTシャツにプリントする。ファッションを通じて精神疾患を患っている人が自分の抱えるスティグマを解消し、自己肯定できるように支援する。

ただし、2人は服を作った経験がなかったので、服の製造・販売について詳しいメンターからアドバイスをもらおうとアクセラレータープログラムに応募した。そうすると、プログラムの選考委員に、ケーリー氏とカイル氏の熱意が買われ、資金とメンターを得ることができた。

2014年、「Wear Your Label」はファッションブランドとして発足。服の販売開始後は、精神疾患を抱えている人や彼らをサポートする人からの共感を得ることに成功した。

 

既存のファッションブランドへの違和感

Wear Your Labelの創業者の2人は有名ファッションブランドが一般人離れしたファッションモデルを利用したり、消費者を煽る宣伝スローガンを並べ立てたりと、一般の世界から程遠い虚飾の世界を作り上げていると感じたという。

一方で近年、環境へ配慮したり、オーガニック素材を利用した新たなブランドが続々と立ち上がっており、虚飾ではなく本質的なことが消費者に受け入れられるようになっていることも知った。

2人はそれらのブランドに続いてWear Your Labelにおいても本質的な取り組みをしている。その姿勢はWear Your Labelの商品、サイトに垣間見ることができる。

I

https://wearyourlabel.com/collections/poetry-capsule-collection/products/i-am-enough-brittin-oakman-tee

「I am enough」シャツ。販売価格は42.50カナダドル(3400円)

シャツにはI am learning who I am.I know who I am not.This is enough.I am enoughとプリントされている。意味は「自分が誰なのか理解しようとしているけど、まだ分かっていない。でもそれでいい。私はわたし。」

このフレーズはインフルエンサーのBrittin Oakman氏とパートナーシップを結んで考案したもの。自己肯定感を育むフレーズである。

asd (2)

https://wearyourlabel.com/collections/stigmafree/products/stigmafree-tee

「StigmaFree」シャツ。販売価格は34.99カナダドル(2800円)

スティグマから自由になることを宣言するTシャツだ。

 

容姿で採用しないモデル採用方法

 

asd

https://wearyourlabel.typeform.com/to/XuiFnC

モデルの採用においては身長・体重などの容姿ではなく、モデルが精神疾患に関連したスティグマ(摂食障害、うつ病、ADHDなど)を抱えているか、Wear Your Labelのブログで自身のスティグマについて告白できるかどうかを重視して採用している。

 

モデルが自身のスティグマを告白するブログ

 

a

https://wearyourlabel.com/blogs/role-models/role-model-danielle-daley

Wear Your LabelのサイトのブログではWear Your Labelのモデル達が自身の抱えているスティグマを告白している。

たとえば、 Danielle Daley氏は子供時代にパニック障害、うつ病、性的暴行を受けた話などこれまで自分が語れないスティグマについて赤裸々に語っている。そして、そのスティグマの告白を通して自己肯定できるようになっていたことについて語っている。

このブログが多くの人から反響を得たという。ブランディングを狙ってブログを更新しているのではない。Wear Your Labelのミッションに掲げる精神疾患に対するスティグマを解消することを狙いとした本質的な取り組みである。

 

本質的なことをする

Wear Your Labelは精神疾患に対するスティグマを解消することを狙いに立ち上げられたブランド。これまでにないタイプのブランドではあるが、Wear Your Labelから学べることはミッションに沿って本質的なことを着実にすることではないだろうか。これが消費者の共感を呼び、結果的にWear Your Labelのブランディングにつながっているのだろう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
TOPへ戻る