事例にみる優秀サイトのポイント

2017.10.31

設立3年で年商66億円の新興時計ブランドMVMT、フォロワー数SEIKO超えのSNS戦略が成功の鍵

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MVMTサイト

有名ブランドであることが消費者に選ばれる理由にはならなくなりつつあるのかもしれない。消費者にブランドを覚えてもらうための手段はマスメディアからSNSに移行しつつある。アイデアがあれば低コストで強力なブランディングが実現可能になったのだ。

この傾向は中小企業、スタートアップにとってのチャンスである。

2013年に設立され急成長中の新興時計ブランドMVMTのFacebookのフォロワー数は296万人以上を超える。なんと時計ブランドSEIKOのフォロワー数115万人を上回っている。

 

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MVMTはクラウドファウンディングの一つのプロジェクトとして出発した。筆者はその当時よりMVMTに注目していた。

果たして、名もなき新興時計ブランドが多くの有名時計ブランドがひしめくレッドオーシャンともいえる時計業界で生き残ることができるのだろうかと。正直なところ、すぐ撤収するだろうと思っていた。

時は流れ2017年になりふとMVMTはどうなったのか気になり調べてみた。すると想像を上回る結果を残していた。若者を中心に海外では知名度ある時計ブランドの一つとなっていたのだ。さらに、日本でもその名は徐々に知られ始めているようだ。数値で見ても結果を残しているのは明らかで2016年の売上は6000万ドル(66億円)以上と急成長を遂げていたのだ。

このMVMTの成功要因はズバリ「スタイリッシュで低価格な時計が欲しい」そんな若者の心をつかんだマーケティングにある。

 

高すぎる高級時計、チープなつくりの安い時計ばかり…その中間の時計がない!

 

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左Jake氏 右LaPlante氏 Forbesより

 

創業者のJake Kassan氏は現在20代中盤の若者である。幼少期には起業家の父親の背中を見て育った。そのためJake氏は12歳の時にキャンディーを販売して週に300ドルを稼ぐ、高校生の時には音が周囲でなると光るTシャツを販売。さらにクラブで使用できる装飾ライトのECサイトも運営していた。

Jake氏にとってビジネスを作ることは趣味のようなものだった。大学入学後、机上の空論ばかりの授業に対して全く興味を持てずにいた。

そんな時、ルームメイトのKramer LaPlante氏と起業アイデアを話し合う機会を持った。

LaPlante氏はクラウドファウンディングで従来の財布より薄くて機能的な皮財布のプロジェクトを立てた経験を持つ起業家でもあった。そのプロジェクトで3000人から10万ドル(1100万円)以上の支援金を調達している。

2人は共に時計好きだったのだが、既存の時計は高すぎる高級時計かチープなつくりの安い時計しかないことに不満を抱いていたのだ。そこで、クラウドファウンディングサイトを通じて資金調達し自分たち好みの時計を製造し販売することを検討。その後はECサイトで消費者にダイレクトに時計を販売するビジネスモデルを採用することにした。中間業者を省くことで高い品質でありながらも安い価格の時計販売を実現できるからだ。

 

ミレニアル世代の消費傾向を掴んだMVMT

MVMTはミレニアル世代の若者(1980年代~2000年初頭に出生)を対象にした時計だ。一般的に言われている米国をはじめ先進国のミレニアル世代の特徴は以下だ。

・SNSの浸透とともに育ってきたデジタルネイティブ

・ファッションにこだわりがある

・ミニマリスト

・消費より貯蓄

・モノよりコト=体験を重視する

ミレニアル世代はファッションにはこだわりがあるが、あまり高いものを買いたくない世代が多いのだ。そんな彼らにとってスタイリッシュでありながらも価格59ドル(※Indiegogoで販売した当時の価格)のMVMTの時計はかなり訴求力があったはずだ。

Indiegogoで2887人から合計21万9898ドル(約2300万円)の支援を受けることに成功した。最も販売数が多かったのが下の写真の時計White Tan Leatherだ。

 

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Indiegogo

シンプルでミニマリズムを感じさせるMVMTのECサイト

現在のMVMTは59ドルの低価格とまではいかないものの110~200ドル(1万2000万円~2万円)の価格帯となっている。1万2000円台の時計はミニマリズムを感じさせる時計。2万円台の時計はより洗練された高級感すら感じさせる時計となっておりチープさをまったく感じさせない。

 

1万2000円台の時計

 

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MVMTサイト

 

2万円台の時計

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MVMTサイト

サイト全体が白基調で無駄を排除したミニマリズムを感じさせるデザインとなっている。

 

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MVMTサイト

 

モノよりコト=体験重視のミレニアル世代向けコンテンツの充実

 

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MVMTサイト

ECサイトでは商品の時計とInstagramのコンテンツをリンクさせて表示している。MVMTのInstagramを含むSNSのコンテンツの傾向は単なる時計の紹介に終始していない点だ。

 

時計が使用されているシーンをありありと想像できるコンテンツが充実している。まさにモノよりコト=体験重視のミレニアル世代向けコンテンツを充実させていると言える。

Instagramー見ているだけで楽しい写真コンテンツ

85万人のフォロワーを誇るMVMTのInstagramアカウント。彼女と海に泳ぎに行ったり、旅行したりと、楽しいシーンのお供としてスタイリッシュなMVMTの姿が映し出された写真コンテンツ。

 

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MVMT Instagram

 

Facebookー動画コンテンツでMVMTの認知度を高める

296万人のフォロワーを誇るMVMTのFacebookアカウント。動画コンテンツが主である。数十万回再生されている動画も数多い。

中でもハワイ旅行をテーマにした動画が興味深い。動画をシェアしたフォロワーに抽選でハワイ旅行がプレゼントされるというものだ。なんと3800シェアされている。動画内ではMVMTの時計がさりげなく露出されている。

 

 

MVMTのSNSへの注力具合は有名時計ブランドのそれを上回っているだろう。

MVMTは時計の機能や時計単体を紹介するコンテンツはほとんど使用していない。MVMTの時計をつける=楽しい体験ができる、そんなイメージを連想させるコンテンツが充実している。

まさに、モノよりコト=体験重視のミレニアル世代向けコンテンツを充実させているのだ。ミレニアル世代の心を掴み急成長したMVMTから学べることは多いだろう。

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