マーケティング

2018.05.07

アパレルEC勢力図最前線 – ロコンドが主導する対ZOZOTOWN戦略のゆくえ

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画像引用元:ロコンド

 

シューズやファションアイテムの販売を手がけるロコンドが、業界最大手のZOZOTOWNに対抗すべく、競合各社との「同盟提携」を模索しているとのこと。その戦略について解説しながら、ロコンドが構築を目指すアパレルECの健全な市場について考える。

 

テレビCMの放送は「アパレルEC同盟提携」始動の狼煙

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画像引用元:ロコンド

靴を中心とするファッションアイテムのインターネット通販を手がけるロコンド(代表取締役社長:田中 裕輔)は、2018年3月8日にテレビCMの発表会を開催。同月10日から一部エリアで放送を開始した。著名なタレントを起用し、莫大な予算を投じたのは、ECサイトの認知向上や新規顧客の獲得を狙ってのことだが、ファッションEC業界で圧倒的な首位に立つZOZOTOWNに追随できる、アパレルEC同盟の提携に向けた狼煙であったとも言えそうだ。

靴とファッションアイテムを販売する通信販売サイト「ロコンド」が運用を開始したのは、2010年10月。「自宅で試着、気軽に返品」のキャッチフレーズで知られ、サイズ交換や返品に無料で対応するサービスを実施している。2015年に単月黒字を達成し、7期目となる2017年には最終黒字を成し遂げ、東京証券取引所マザーズ市場への株式上場も果たした。

 

アパレルEC業界が抱えている構造上の問題

ロコンドの取扱額は2017年2月期でおよそ80億円。2018年2月期には100億円を計画している。他方、ZOZOTOWNの2017年3月期の取扱額は2,120億円と、大きく溝をあけられているのが現状だ。業界2位の「マルイウェブチャネル」や3位の「マガシーク」でも取扱高は200億円規模で、十分の一程度。ZOZOTOWNが一人勝ちする状況が続いており、今後その傾向はますます強まると考えられている。

企業間の取扱高の差があまりにも大きいことは、アパレルEC業界が抱える大きな構造上の問題の一つだ。メーカーが提供できる在庫に限りがある以上、どうしても販売力が高いZOZOTOWNに多くの商品が流れ、他のECには少ない数の商品しか行き渡らない傾向があるのだ。

本来、ZOZOTOWNに追随するには、理論的にそれと同様の数の在庫を持たなくてはならない。ところが、上記のような現状下では、取扱高の差は大きくなる一方。ロコンドがアパレルEC同盟提携を模索するのは、まさにそうした市場内のアンバランスな力の均衡を緩和し、市場を健全化したいという考えからだ。

 

ロコンドが主導となって進める対ZOZOTOWN戦略

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アパレルEC同盟を提携するにあたり、ロコンドは業務提携の締結を軸に、資本提携やM&Aなど、さまざまな提携手段を想定している。取引先となるメーカーやブランドは在庫が分散化するのを好まない傾向がある。そのため、同盟相手は今のところ発表されていないが、業務提携することで在庫を共有できるよう、顧客層が近似するECモールが提携先として有力だ。

ECモール同士での在庫連携だけでなく、商品ラインナップを補完し合い、他モールで売れた商品をも出荷できるような体制づくりを目指すという。ささげ業務なども一元化し、徹底的な効率化を図りたい考えだ。数年のうちにZOZOTOWNが手がけるブランドのうち7〜8割をカバーし、取扱高300億円の「2位グループ」構築を目指すという。

 

アパレルEC市場の健全化を目指して

快進撃を続けるZOZOTOWNだが、2017年末に発表したZOZOSUITによって顧客のZOZOTOWNへの依存度はますます高まる可能性がある。現段階ではデニムパンツとTシャツのみしか展開されていないプライベートブランド「ZOZO」も今後、ラインナップが拡充されることが予想される。発送の遅延が解消され、すべての希望者にZOZOSUITが行き渡ったなら、他のどこよりも豊富な在庫を抱え、的確なサイズを教えてくれるZOZOTOWNを消費者が利用しない理由はない。

こうした状況下において、ロコンドが主導するEC同盟が「圧倒的な2位グループ」となれば、ECモール間の在庫の偏りが解消されたり、対等な競争が促進されたりと、アパレルEC市場の力の不均衡がある程度解消されることにはなるだろう。しかし、仮に二大アパレルECが拮抗することになったとして、それで本当にアパレルECが健全化するかどうかは未知数だ。

アパレルEC市場における「圧倒的な2位グループ」の誕生は、マクロな視点では意味のあることかもしれないが、中小のアパレルECにとってみれば、一回り小さなZOZOTOWNが登場したぐらいのことでしかない。

 

最後に

大手アパレルECによる寡占状態は、今後もしばらく続くに違いない。そんななか、中小のアパレルECが今後どのように振る舞うべきか、本気で考えなくてはならない時期に来ていると言えるかもしれない。

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