マーケティング

2016.12.30

より“スマート”なアパレルECの仕組み作りへ:2016年のファッションEC×テクノロジーを振り返る

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様々なファッションにまつわる様々な経験のなかで、テクノロージが占める位置はますます大きくなり、テクノロジーとアパレルECとの親和性は強まる一方である。2016年中にも様々なアパレルEC向けサービスが登場し話題を集めた。今回はなかでも特に重要と思えるトピックを拾い上げ、来るべきアパレルECの将来展望へとつなげたい。

 

 

1. 広がるアパレルECにおける人工知能の活用

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アパレルECに限らず、2016年にウェブマーケティング上で最も注目を集めたのが人工知能だろう。例えば、カラフルボード株式会社(代表取締役・CEO 渡辺祐樹)が2014年にサービスを開始したファッション人工知能「SENSY」が、紳士服メーカーの「はるやま商事」のパーソナライズDMで試験的に導入。顧客の購入履歴を学習した人工知能が、DMに掲載する商品を選定。パーソナライズされたDMを作成した結果、レディースでは12%、メンズに至っては15%も高い来店率を実現するという成果が報告されている。

カラフルボード株式会社は、購入済みのアイテムとEC上のアイテムとを組みわせてコーディネートを作ることができる「SENSY CLOSET(センシー・クローゼット)」のティーザーサイトを公開。購入した商品や保存されたコーディネート情報から人工知能が消費者のセンスや趣向を学習し、個別のコーディネートを提案することから、新たなショッピング体験や購買動機の創出が促されることが期待されている。

 

 

2. オンライン決済代行サービスの台頭

 

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2016年10月25日にApple Pay(アップルペイ)のサービス提供が開始されたのは記憶に新しいところだが、こうしたオンライン決済代行サービスの多様化も、今後ますます進むはずだ。クレジットカードやプリペイドカードを登録することで、交通機関や店舗などでスムーズな決済を行うことができるシステムとして注目が集まっているものの、先行するLINE Pay(ラインペイ)がZOZOTOWNはじめ大手ECサイトでのオンライン決済に対応しているなど、今後の動きから目が離せない。

12月13日にはグーグルによるAndroid Pay(アンドロイドペイ)もサービスを開始している。アパレルEC売り上げ全体に占める割合は欧米に比べて低いのが現状だが、安全かつ快適なショッピング体験を提供するこうしたサービスの利用は今後ますます増えることが予想される。特筆すべきは、アパレルECの利用率が年々高まるスマートフォンと、このオンライン決済代行サービスとの親和性が高い点だ。スマートフォンによるアパレルECの利用拡大が進むだけでなく、アパレルECがどう様変わりしていくのかに注目したい。

 

 

3. 消費者が起点となるコンテンツマーケティングの隆盛

 

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消費者参加型のコンテンツ、特にコーディネートとアパレルECとを連動させる試みも目立った。様々なファッションアイテムでコーディネートを作成できるアプリ「iQON(アイコン)」は、250万件という膨大なコーディネートを閲覧する中から、欲しいアイテムが見つかればそのまま購入できるというもの。株式会社VASILY(代表取締役 金山裕樹)が提供する、同アプリは2012年のローンチ以来着実に人気を集め、実に3年連続でGoogle Play/2016年ベストアプリ「ベストイノベーティブアプリ部門」に選出されている。さらに2016年には、機械学習を活用してレコメンデーションを提案する機能「for You」をリリース。これによってアイテムの購入率が約2倍に、また閲覧数は約4倍まで向上した。

 

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GMOメディア株式会社(取締役会長 熊谷正寿)が運営するファッションコーディネートアプリ「Coordisnap(コーデスナップ)」は、ユーザによるコーディネート画像を利用して誰でも自由に記事を作成できるキュレーションコンテンツを導入。アプリユーザが投稿した記事では類似した商品が提案されているほか、ショップスタッフが提供するコーディネートに使われているアイテムもECサイトに直結され、すぐさま購入できる仕組みを構築している。XZ(クローゼット)、MANT(マント)など、同様のサービスは枚挙にいとまがない。インフルエンサーを介在させないこうしたマーケティングのあり方が、消費者とアパレルECとの間に今後どのような関係性を作り出すのか、注目したいところだ。

 

 

4. より“スマート”なアパレルECの仕組み作りへ

不特定多数の消費者に対して展開されるマスマーケティングと違い、人工知能を活用したサービスや、消費者を起点とするコンテンツマーケティングにおいては、よりパーソナライズされた、効率的で無駄がない、いわば“スマート”なマーケティングが可能となる。消費者にとっては、サイズやカラーが合わないために結局クローゼットにしまったままになるといった無駄な買い物を避け、本当に“欲しい”商品が的確に手にできるし、アパレルECにとっては返品などの無駄が解消され、商品の選別や在庫の適正化にも寄与することになる。両者にとって“スマート”な仕組み作りが可能であるにちがいない。

 

 

Apple

http://www.apple.com/

SENSY

http://sensy.jp/

iQON

https://www.iqon.jp/

Coordisnap

https://coordisnap.com/

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