セミナーレポート

2016.12.26

FASHION EC Lab presents アパレルECセミナー vol.01

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1280x400_1208開催日時:2016年12月8日 15:10~19:30

 

スタイラー × バーチャサイズ × 電通ダイレクトフォース × ブティックスター

 

“話題のファッションサービスを振り返る 2016冬”

 

 

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【セミナー内容】
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テクノロジーによってファッションを活性化しようとする動きが広がり、それに伴ないファッションテクノロジーはユーザーの生活の中にも目立って浸透し始めています。2016年も様々なファッション向けサービスやEコマースの成功事例が話題となりました。本セミナーでは、それらのうち、とりわけ重要と思えるものを取り上げます。最新のファッション×テクノロジー市場の動向を俯瞰する中で、各アパレル企業の方々にとって即戦力となる、ECビジネスに直ちに導入可能なノウハウ・サービスについて具体的にご紹介します。

 

◆特別コンテンツ◆
4社スピーカーによるパネルディスカッション
スタイラー × バーチャサイズ × 電通ダイレクトフォース × ブティックスター

 

 

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【本セミナーのプログラム】
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1.ユーザー・エクスペリエンスを中心にファッションテックと付き合おう!(入門編)

スタイラー株式会社

 

2.EコマースにおけるVMD開発 ~デジタルIQ最高レベルの「Acne Studios」, 「FENDI」, 「Tory burch」, 「Burberry」, etc..のEC最新事例~

株式会社ブティックスター

 

3.サイズの不安を解消して、オンラインショッピングをもっと楽しく!

バーチャサイズ株式会社

 

4.圧倒的な表現力と新たなストーリーテリングで「デジタルで態度変容を起こす」EICHI

株式会社電通ダイレクトフォース

 

 


【第1部】


ユーザー・エクスペリエンスを中心にファッションテックと付き合おう!(入門編)

スタイラー株式会社 CEO 小関翼

 

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第1部のセミナーでは、日英のメガバンクに勤務した後、大手EC事業者のAmazonで事業開発を手がけ、現在は経済産業省の委員も務める小関氏が、ユーザー・エクスペリエンスを中心にファッション業界におけるテクノロジー活用事例を紹介した。

小関氏は、「ユーザーにどのような洋服を買って欲しいか」というユーザー・エクスペリエンスを軸にして、どのようなテクノロジーを使うのか考えるべきだという。

小関氏は、「次になにが流行るの?結局、なにが必要で、なにに対応する必要があるのだろう?」とよく質問されることがよくある、と述べている。

そこで小関氏は、ファッション業界とテクノロジー業界にどういったプレイヤーが存在しているのか調べたところ、かなりの多くのプレイヤーが存在していたという。日本ではとくに、産業ごとにコミュニティーが分かれていることから、プレイヤーが増加する要因となっている、というのだ。

また、日本は労働市場の流動性が低く、雇用のミスマッチも高いため、VRやAI、IoT といった新しいテクノロジーが出現してアパレルでも活用できそうだと考えたとしても、それを実際に産業へと応用する意見交換の場や、それらをつなぐプレイヤーはあまり存在していないのが問題となっているのである。

しかし海外では他産業との人の流動性が高く、たとえばアメリカであれば、ごく当たり前に金融業界からファッション業界へと転職したり、ファッション業界からIT業界に転職したりするといったことは当たり前の話だという。そうやって人が循環することによって、「これにはこういったテクノロジーを使いましょう」という提案や、「このテクノロジーにデザイン的な課題を持ち込んでブラッシュアップしましょう」といった意見交換が活発になる。日本では、それがまったくなされていないことが問題なのだと、小関氏は述べる。

今回のプレゼンテーションでは、「どのような購買体験をユーザーに届けたいかを軸にテクノロジーの応用を考えるべき」をメインテーマにしている。そこで小関氏が今、注目していることは、オフラインの購買体験をいかにしてテクノロジーで再現できるかということだ。

アパレル産業の売り上げは圧倒的にオフライン市場である。2013年の調査ではオンライン比率がわずか7.8%だという。ブランドによってはオンライン比率が20%程度になっているところもあるが、それでもオフライン比率は大きい。

このようにEC化がまだまだ途上であると、ユーザー側としてはECとオフラインを使い分けて買い物をするようになる。たとえば、ショップで見て気になったアイテムがあっても手が出ない価格だとすると、「ECで価格が下がったら買おうかな?」と考えるのはごく当たり前の話だろう、と小関氏は述べる。

各国のEC化率を見ていくと 日本は2013年で8%、2020年には14%に上がることが予想されているが、中国だと2020年には21%、韓国だと17%にもなると予想されているという。ドイツでも2020年には21%になると予想されている。ただ実際は日本よりもEC化率が進んでいない国も多いという。

たとえば香港のEC化率は2014年に1%、2020年でも2%だと予想されている。その理由としては、職場や自宅とショップの距離が非常に近いことが挙げられる、と小関氏は述べる。そのため、ECで注文して1日か2日たって届くのを待つよりも、実際に足を運んだほうが早いことから、EC化率が伸びないという。

結局、オンラインかオフラインかではなく、ユーザーがどのような買い方を望んでいるかが重要なのだということである。

次にファッション市場の売上額を見てみると、日本は19兆円規模、アメリカは63兆円規模、ヨーロッパは40兆円規模となっているが、中国と東南アジアのファッション市場は合わせて121兆円規模だという。つまり、中国と東南アジアのファッション市場は、すでに日本とアメリカとヨーロッパを合わせたマーケットを持っている、ということになる。

とりわけ、飛び抜けて大きい市場は中国である。2016年11月11日の「独身の日」に開催した「アリババ」のセールでは1日だけで2兆円のセールスを記録。「Amazon.co.jp」の年間売り上げが2兆円なので、その半分の売り上げをわずか1日で達成したことになる。

しかしアジアは、銀行口座やクレジットカードを持っていない人も多く、ECがなかなか成り立ちにくい環境でもある。そこで中国で成長したのはモバイル決済である。

中国では、街中で焼き芋を買う程度でも「アリペイ」「WeChatペイ」で支払いを行えるほど、モバイル決済が普及している、と小関氏は述べる。そのため中国では、財布を持ち歩く必要がほぼなくなっているという。

また、アジアは他の地域と比べて、コミュニケーションとEコマースとの融合が高くなっていると小関氏は述べる。コミュニケーションしながらECで購入するのは当たり前となっているのである。

たとえば、中国の大手オークション・ショッピングサイト「タオバオ」では、アイテムを購入するのにチャットが前提だといわれているという。ユーザーは商品を購入する前に2~3回は問い合わせを行い、購入後も2~3回はコミュニケーションするのである。そこでは、「オススメはありますか?」「この服にコーディネートできるものはありますか?」といった内容をチャットでやりとりし、コミュニケーションをしているという。

アジアではこのような流れから、Facebookなどのコミュニケーションサイト上でEコマースを展開することも増えてきていると小関氏は話す。このようなECサイトではFacebook上で様々な質問をしてから、アイテムを購入したり、ショップに行ったりすることがごく当たり前になっているという。情報の非対称性をコミュニケーションで埋めているわけである。

小関氏が自社で展開しているのも、アジアの事例でみるようにコミュニケーションとEコマースを融合したサービスである。

具体的にスタートしているサービスは、自分が欲しいアイテムの情報を投稿できるコミュニケーションアプリ「STYLER」だ。たとえば、寒さが厳しくなってきたのでグレーのコートが欲しいとなったとき、「平日はスーツの上に着用するが、土日のカジュアルな服にも合うコートが欲しい」というような抽象的なニーズをユーザーが「STYLER」に投稿する、といったことが考えられる。ショップではこのような抽象的なニーズ軸による相談を日々受けているので、「STYLER」上でリプライを受けられることが多いという。

また、「STYLER」では、リアルなニーズに基づきながらブランド横断でアイテム情報が揃うので、それを記事にして様々な媒体へと拡散しているという。ユーザーからのニーズに対して提案のリプライを付けると、WEBのファッションニュースサイトに自社情報を拡散できるというのだ。そのため、ユーザー側だけでなく、ショップやブランド側にとってもメリットがあるという。

「STYLER」は、渋谷区神南地区にあるショップで実証実験を行ったという。 2016年9月14日~10月14日に行った実験では、「Instagram」と「WEAR」からの来店客数平均値よりも10倍くらいの来店客数を得ることができ、この時期の売り上げの22%が「STYLER」経由になった、と小関氏は述べる。「STYLER」による売り上げ上昇効果を実証することができたのである。

 

 


【第2部】


EコマースにおけるVMD開発 ~デジタルIQ最高レベルの「Acne Studios」, 「FENDI」, 「Tory burch」, 「Burberry」, etc..のEC最新事例~

株式会社ブティックスター 代表取締役 高田博之

 

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第2部のセミナーでは、EコマースにおけるVMD開発の重要性についてブティックスターの高田氏が解説した。

 

Eコマースでブランディングをしていくにあたり、ファッション業界に以前から存在するVMDを取り入れることが重要だと高田氏は述べる。

VMDとは、「ビジュアル・マーチャンダイジング(Visual Merchandising)」の略のことであり、売場全体や商品を魅力的に見せる演出テクニックのことである。「店舗全体の空間デザインから、服の展示や並べ方まで考え、店舗をビジュアル面でサポートし、ユーザーにとって魅力的で、見やすく・選びやすく・買いやすい売り場をつくりあげること」は、まさにECにおいても大事な要素となるという。

ただし、ファッション業界にはVMDの教科書が出版されているほか、ノウハウが体系立てて蓄積されているが、EC業界においてはVMDのプロは存在しないのが実情である。

 

VMDに必要な資質は、以下の3点であるという。

・ファッションに対するセンス・トレンドの理解

・空間(=構成、設計、構造、挙動)に対するセンス

・買い手の心理に関する知識と理解」

 

そのうち、「ファッションに対するセンス・トレンドの理解」についてはWEBデザイナーが持っており、それに基づきECサイトをデザインしていくとうことはあり得るという。

しかし、「空間(=構成、設計、構造、挙動)に対するセンス」「買い手の心理に関する知識と理解」についてはUX/UIデザイナーが持ってはいるが、これらのデザイナーがECサイトの構築に入ってくることはほとんどない。

そのような状況にあるため、ECサイトのデザインはWEBデザイナーが単独で行うことが殆どのケースであり、それが日本のECサイトのデザインを画一的で似通ったものにしているという。

しかしECサイトのデザインは以下の3つの理由によりレベルを上げていく必要がある、と高田氏は述べる。

その1つは「デジタル広告の飽和によるCPA(顧客獲得単価)の高騰」である。

ECサイトの購入率を上げるためには、「引合顧客」や「認知顧客」といった健在ユーザーだけでなく、「見込顧客」や「潜在顧客」といった潜在ユーザーも取り込まなくてはいけない。潜在ユーザーの中でも「見込顧客」は主にリスティング広告で獲得していくことになるが、最近ではクリック単価が高騰してきているという。

また、「潜在顧客」というブランドのことをまったく知らないユーザーをECサイトに連れてきて、その時点で深いブランディングをしてブランドの体験をしてもらう必要があるのである。そういった意味でECサイト自体のパフォーマンスを上げていく必要があるというのだ。

そのためにVMDの考え方を取り入れてECサイトを構築していかなければならないのである。

2つ目の理由として、「ブランドサイトとECサイトの統合化の流れ」が出ていることが挙げられるという。

海外におけるトップブランドのECサイトとブランドサイトは、すでにほとんどが統合化されてきているのだ。

サイトを統合化しているのは次のようにシンプルな理由からだ、と高田は述べている。ユーザーにとってみると、2つのサイトを使い分けるよりも1つのサイトに集約されていたほうが、コンテンツもショッピングも楽しめ便利だからである。

サイトの統合化はユーザー側だけでなくブランド側にもメリットがある。ブランドサイトとECサイトが別々だとサイト間の移動で必ず離脱が発生するため、購入機会の損失が生まれる。それが統合化することで、ブランディングも購入も1つのサイト上で完結でき離脱率の低下につながるというのである。

また、コンテンツが1つのサイトに集約されていればブランド名以外の様々キーワードで検索される可能性が高まるため、コンテンツマーケティングとしても、SEOとしても有利になるのである。

ただし、サイトを統合化するには、情報設計がしっかりしていて、ユーザビリティーが高いサイトにする必要があるため、そこにもVMDのテクニックを取り入れていく必要がある、と高田氏は述べている。

3つ目の理由として、「ブランディング媒体の変化」が挙げられるという。

ユーザーが接触するメディアの状況をみると、ファッション誌の発行部数は年々減少しており、その逆にインターネットの閲覧時間が急増しているという。そのため、ユーザーがブランドを知るきっかけは急激にインターネットへと移行してきているのである。

そのため、ブランドのことをユーザーが知るきっかけは「インターネット」となるわけだ。

ECサイトとブランドサイトの統合化の流れを考えると、ECサイトがブランディングの役割を持つ必要があるということになるのである。つまり、ECという売上ミッションを抱えながら、ブランディングの領域もECサイトが担うことになってくる、と高田氏は述べる。

しかし、ECサイトの従来型の画一的なインターフェースデザインでは、他のブランドとの違いをユーザーに訴求することは難しい。そこで、独自のユーザー体験を通してブランディングする必要があるという。

結論としては、VMDのテクニックを駆使しインターフェースデザインのレベルを上げて、ブランディングと売上の両方を達成させていく必要があるということだ。

海外ブランドで当たり前となりつつあるECサイトとブランドサイトの統合化事例を見てみると、「Acne Studio」や「FENDI」のサイトではビジュアル重視のトップページ設計をしており、「REBECCAMINKOFF」のサイトでは余白を大きく取り、ゆったりした雰囲気を与えるページ設計をしているという。

また、スニーカーブランドである「Eytys」のサイトに至っては、ページの遷移はできるだけ無くすため、トップページ上で商品詳細が表示され、トップページ上でサイズを選び、トップページ上でカートに入れることができ、すべてのアクションがトップページだけで完結する設計をしているのである。。

そのほか、「TORY BURCH」のサイトでは商品詳細ページで動画を配信し、コーディネートだけでなく動きも見ることができるページを設計しているという。

その点、日本ではまだサイト統合化事例は少ないが、その中でも有名なブランドとして「aquagirl」と「BannerBarrett」が挙げられる。

「BannerBarrett」のサイトに関しては、ブティックスターが統合化の構築を手がけており、「Instagram」の投稿画像とECサイトを連携させるコンテンツを展開している。

通常は「Instagram」の画像をクリックすると「Instagram」サイトへ遷移してしまうため、離脱が発生し購買にもつながらない。それを「Instagram」の画像から商品詳細ページへと遷移できるような独自のシステムを採用し購買へとつなげている、と高田氏は述べた。

 

 


【第3部】


サイズの不安を解消して、オンラインショッピングをもっと楽しく!

バーチャサイズ株式会社 代表 アンドレアス・オラウソン

 

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第3部のセミナーでは、ファッションEコマースにおけるサイズの不安を解消してくれるオンライン試着ソリューション「Virtusize」についてオラウソン氏が解説した。

ユーザーにとって、オンラインで服を購入する際の大きなハードルとなるのがサイズへの不安感だろう、とオラウソン氏は述べる。スウェーデンで創業したバーチャサイズは、その問題を解決するために、ECサイトのアイテムと以前に購入したアイテムや手持ちのアイテムとのサイズを比較できるサービスを提供しているという。

「Virtusize」とはこのように商品と商品とを比較するサービスであり、コンセプトとしては非常にシンプルだ。使い方としては、ユーザーが持っているアイテムと買いたいアイテムとを重ねて視覚的に比較するだけである。

ファッション業界における大きな問題はサイズが標準化されていないことだろう、とオラウソン氏は述べる。表記は同じでもブランドによってサイズは異なるし、さらにはシーズンによっても変わってくるからである。

SMLというサイズはあるが、そのSMLは他のブランドのSMLとは異なるし、SMLではないヨーロッパ表記もある。さらに、スリムフィットのMと通常のSとではどのくらい差があるのかといった疑問も浮かぶ。海外のリテーラーからアイテムを購入したい、というユーザーにとってはサイズの問題はさらに難しいという。

そこで「Virtusize」を利用すれば、ストア内のアイテムと過去に購入したアイテムとを重ねて比較することができるのである。

この比較は特定のブランド内だけでなく、「Virtusize」を導入しているすべてのブランドで購入したアイテムが共通で表示されるため、他ブランドとのサイズ比較も可能となっているというのだ。

そのほか、「Virtusize」を導入しているブランドのアイテムであれば簡単に登録ができるため、リアル店舗で購入したアイテムともサイズ比較をすることが可能なのである。

「Virtusize」が日本市場に参入してから3年が経過している。現在はこの「Virtusize」を導入するブランドも増加し、ブランド全体の13%程度のマーケットシェアを占めているという。

これはすなわち、日本全体の購入履歴データの13%がバーチャサイズのサーバーに保存されている、とオラウソン氏は述べる。

その購入履歴をもとにして、バーチャサイズ社では今後はさらに面白いサービスを提供していきたいと考えているという。

たとえば、パーソナライズである。今のマーケットは基本的にはパーソナライズされていないというのだ。メールマガジンもFacebookも含めて、95%はパーソナライズされていないのである。そのために、ユーザーに興味を持たないリコメンド広告が配信されることになる。

そこでどのようにすればパーソナライズできるかというと、「購入履歴」が鍵となってくるという。ユーザーのサイズも含めて細かく知っているので、それがパーソナライズにおける強い武器になるというのである。

パーソナライズをレベルごとに分けて考えると、「レベル1」ではユーザー認証もできておらず何度購入してもパーソナルメッセージを発信できない状態であるという。

「レベル2」になると、購入履歴でスタイルマッチングができるようになった状態となり、 「レベル3」では、単なる「デニムが好き」とか、「スウェーデンブランドが好き」というレベルではなく、「このアイテムがあなたにピッタリだ」という提案ができるようになった状態となるというのだ。

バーチャサイズではこのような考え方に基づいた新しいサービスを2017年1月から提供する予定だ。それは世界初のフィットで検索できるサービスとなるという。

たとえば、過去に購入したシャツと同じようなフィット度合いのシャツが欲しいとなったとき、フィット度合いをパーセンテージとしてサイトに一覧表示される。たとえば、「裄丈が3センチ短い」とか、「身丈が2センチ長い」とか、どこがどのくらいフィットしていないかが、細かく表示されるのである。

この新サービスにおけるもっとも重要な点は、ユーザーが好みのアイテムを選んでいけばいくほど、ユーザーの好みをより詳しく知ることができるため、よりパーソナライズができるようになることだ、とオラウソン氏は述べた。

 

 

 


【第4部】


圧倒的な表現力と新たなストーリーテリングで「デジタルで態度変容を起こす」EICHI®

株式会社電通ダイレクトフォース  新規事業開発ユニット 小川貴史

 

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第4部のセミナーでは、インタラクティブ動画制作配信プラットフォーム「EICHI」を活用したファッションEコマースにおける展開について小川氏が解説した。

テレビCMなどのマス広告と、デジタルマーケティングの双方を手掛けてきた小川氏は、ネットとマスを最適化した時系列データ解析といったデータサイエンスを積極的に活用している。

小川氏が近年注目しているのは、欧米で4~5年前から事例やプラットフォーマーが生まれている「インタラクティブ動画」であるという。そこで電通ダイレクトフォースでは、HTML5技術を用いたデバイスフリー再生に対応するインタラクティブ動画制作配信プラットフォーム「EICHI」の展開を行っているのである。

現在、「EICHI」で行っている取り組みとして、ラグジュアリーブランドのインタラクティブ動画事例を
紹介した。ブランドの世界観を表現するブランドムービーの再生途中で選択肢が表示されるので、タッチする選択肢の違いで異なる映像が表示される。これはデバイスフリーのブラウザ再生を実現する為に世界で初めてHTML5を用いてスマホでのインタラクティブ動画再生を実現したEICHIの技術を活かした試みであり、動画の切り替えも意識しないほどシームレスに選択した映像が変化するという。
技術的には選択した動画ごとにタッチすると外部ページに遷移させて別ウィンドウで購入ページを立ち上げるアクションも可能なのでユーザーの選択に応じた購入ページへ遷移させるインタラクティブビデオコマース映像として機能させることも可能とのこと。
電通ダイレクトフォースでは、2017年の1月中旬完成を目標に、「動画をタッチすることでモデルが持っているアイテムをそのまま購入できる」インタラクションを実現するEICHI「ビデオコマース」プラットフォームを提供する予定だ、としている。

そのほか、「EICHI」を使って開発しているのは「kate spade」の動画広告である。この「kate spade」の事例を解析すると、PCとスマートフォンを合わせて約400万人も来訪者が増加しているということだ。

カート来訪数は全体の4%程度なので、「カート来訪400万人×4%程度×40%が一人平均5000円購入」として推定売上金額3.2億円アップと考えられるのである。

また電通ダイレクトフォースでは、一人ひとりのユーザーデータ(属性情報、行動履歴など)をもとに、サーバー上で自由に動画を組み合わせ、リアルタイムに画像やテキスト、音声を合成することで、ユーザーの特性に合わせたOne to Oneマーケティングが実現できるサービス「パーソナライズ動画」も展開しているという。

この「パーソナライズ動画」のアパレルにおける展開を考えると、たとえば、とあるECサイトを閲覧している日が誕生日に近かった場合、あるページを訪問すると「小川貴史さん、もうすぐ誕生日ですね」という動画が自動生成されるという。

それだけでなく、直前に閲覧していたページのデータから「こんなアイテムはどうですか?」といったリコメンドメッセージをほぼリアルタイムで動画に入れ込むことができるというのだ。

そのほか、小川氏が新しいテクノロジーとして注目しているのは、高価な端末がなくても、「インタラクティブなVR体験」をユーザーに提供することが可能となるVRゴーグル「ミルボックスタッチ」だという。

このVRゴーグルは、ゴーグル内のスマートフォン画像をタップやスクロール、スワイプといった様々な入力操作で見ることができるため、アパレルでの展開も考えられる、と小川氏は述べる。

さらに、紙のカタログのようなユーザーインターフェイスを再現し、同時にスマートフォンならではのユーザー・エクスペリエンスを実現する「WRAP」を手がけているほか、ジェスチャーや音声で仮想空間を操作できるMicrosoft社の「ホロレンズ」には新しい社会インフラとしての期待を持って注目している、と小川氏は述べている。

最後に小川氏が述べたのは、「インターネットのバナー広告だけで心は動かせない」ということである。そこで、「カスタマー・エクスペリエンスの最適化」と「イノベーティブな顧客体験」で、「いかにブランドを楽しんでもらう体験を作っていくか」という部分に対して、「EICHI」や「パーソナライズ動画」などといった新しいサービスで価値を提供していければ、と小川氏は考えているということだ。

 

 

 


◆特別コンテンツ◆


4社スピーカーによるパネルディスカッション

 

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スタイラー × バーチャサイズ × 電通ダイレクトフォース × ブティックスター

スタイラー株式会社の小関翼氏をモデレーターとして約40分間の約パネルディスカッションがスタートした。

冒頭、「日本のファッションサービス」「日本のファッションECサイトのインターフェイス」をテーマに討論が繰り広げられた。

その後、セミナー参加者から、

「日本のアパレルECサイトがどれも同じインターフェイスになっている大きな理由はフルフィルメントでアウトソーシングしていることだと考えるが、欧米における中小アパレルのフルフィルメント事情はどうなのか?」

「ECも含めた様々な販売チャネルを持っているので、それらをどう束ねていけばいいのか?」

「ECサイトしか持っていないブランドがポップアップ・ショップを出店する際、うまくいっている事例やブランドがあれば教えてほしい!」

といった質問が投げかけられ、4社のスピーカーからその質問に対する回答がなされた。

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