事例にみる優秀サイトのポイント

2016.07.08

【海外最新事例】 ショールーミング型EC「GRANA」

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実店舗を持たないEC特化のブランド「GRANA」が話題になっている。香港で2014年3月に設立されたばかりのブランドだが、ショールームを香港、サンフランシスコ、シドニー、シンガポールなどの8箇所に設置するまでに拡大している。世界対応のECサイトによるグローバル販売と数少ないショールームを組み合わせた「ショールーミング型EC」のビジネスモデルである。

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サイトを見ると「GRANA」のコンセプトはとても分かりやすく表現されている。ブランドや商品はとてもシンプルで、ベーシックなTシャツやブラウス、ポロシャツ、ジーンズなど、デザイン要素が少ないものが主力商品である。最大の売りはファストファッション並みの低価格で高品質な素材の商品を販売している点である。良質な素材を製造する工場を世界中から探し、直接発注して素材を低価格で確保、自社デザイン、自社物流によってコストを圧縮して低価格を実現している。

EC専業のブランドのため、このメリットをサイト上でユーザーにうまく訴求する必要があるが、意外にもシンプルにこのビジネススキームや低価格の理由をサイト上で分かりやすくダイレクトに公表している。ビジネススキームや低価格の理由だけでなく、ポリシーや約束事なども公表。従業員を「THE FAMILY」として一人ひとりの顔写真とともに公開しており、とてもオープンで公平なスタンスを全面に押し出している。

 

その他、サイト上やサービスにおいて工夫されている点は下記である。

■素材の調達先である世界の都市や生産背景を紹介

 

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■バズ効果を狙った仕掛け

友達にGRANAを紹介し、友達が買い物をすると友達の購入代金が10%割引きになり、紹介した自分も10$を受け取れる、という特典を常時提供している。
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■インスタグラムの投稿画像をサイトのトップページや商品詳細ページで販促コンテンツとして二次利用している。投稿画像からは商品詳細ページのリンクが設置されており、ユーザーを商品の購買に誘導している。

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■リアルタイムチャットによる接客対応

日本のECではまだ導入事例が少ないが、チャットによって店員からアドバイスを受けたり、質問をすることができる。

 

サイトを見ていくと、商品の高品質さが伝わってくるため、試してみたい、という気になってくる。また、商品はどれも極めてシンプルで定番商品ばかりなので商品を選ぶのにも苦労しない。

 

今後、ファッションECの業界的にサイズフィッティングの機能が充実してくることを考えると、分かりやすいユーザーメリットを提供できればショールーミング型のECモデルは合理的でコスト効率が極めて良いため、同様のケースが日本でも増えてくるかもしれない。実店舗にかかるコストがない分、商品開発費や宣伝広告費、コンテンツ製作費などに予算を振り向けることができるし、逆に、「GRANA」のように実店舗にかかるコストがない分、商品の販売価格を圧縮することで、圧倒的なコストメリットを出すことができる。

 

下記はクロスカンパニーによる日本国内のショールーミング型ECの事例である。

 

繊研新聞 2016年2月17日発行

繊研新聞 20160217-2

 

実店舗は原宿ラフォーレ1店のみの展開。雑誌で活躍する人気モデルの求心力と、他にはない独自の世界観を武器にショールミング型ECモデルとして成功している事例である。ブランドの世界観が濃く、ユーザーのブランドへのロイヤルティーが高いため、SNSで盛り上がりやすく、拡散性の強いところも成功要因の一つとなっている。

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